2016年6月3日金曜日

日比谷 蟹工船 セクシー個室

今頃の季節は、陽が落ちる時間帯が素敵だ。秋の夕陽も美しいし、空気が澄んでいる冬の夕陽も捨てがたいが、初夏の夕暮れには独特の情緒を感じる。

湿度か何かかが関係しているのだろうか。こういうことをサッと答えられたらカッチョイイが私にはその素養はない。

冒頭の画像は日比谷界隈で撮影した画像だ。ペニンシュラの向かい側から皇居側の空を写した。なんとなく深呼吸したくなるような色合いだ。

気分も清々しくなったらウマいものを食べてウマい酒を飲みたくなる。で、近所にある蟹料理屋に出かけた。




「蟹工船」という店名からはどうしてもプロレタリアチック?な店を想像してしまうが、ここはそれなりに高級路線。造りも渋いし、接待やデートにも使えそうな隠れ家的な店だ。

個室もいろいろあって、横並びカウンターの二人用個室もある。二人用の個室というと、お仕置きされた子どもが閉じ込められるような納戸みたいな小部屋が多いが、この店の場合、個室マニアが喜ぶような感じだった。



余裕のある広さ、カウンターも長い、おまけにカウンターの前は坪庭風にしつらえている。出入りする扉は茶室のように小さいので突然、従業員が入ってくることもない。

何とも怪しげである。平たく表現するならエロ満点!の造りである。

それっぽいバーの個室だったら、いかにもな感じのソファが用意され、見るからにエロを漂わせている。あれはストレート過ぎてアザとく感じる。

その点、上質な和空間のしっぽり個室で、横並びに座るスタイルは、いわば「変化球エロ」である。

肝心の蟹料理よりも個室の素晴らしさにただただ感心するあたりが私の愚かさである。独身オジサマの悪いクセなのでお許しいただきたい。




お値段はさすがに安くないが、「かに道楽」でガンガン食べるのとさほど大きな違いはない程度である。

この日は、毛ガニを茹でてもらったほか、一品料理もちょろちょろ注文して、ヒレ酒をグビグビ。

アシを3本だけ刺身で食べた。酒のアテとして最高だ。茹でたてのカニ味噌も酒の相棒として申し分ない。




カニは極論すれな水分だらけである。揚げ物やご飯モノを頼まなければダイエットにも最適だ。

体重調整のために野菜を食べるのはウサギや馬みたいでゴメンだという人には、カニダイエットをオススメしたい。

ついでに言えば、同行した相手とあまり言葉を交わしたくない場合にもカニはオススメだ。無言でほじくっていれば済む。大人にとって様々な用途に活用できるのがカニ料理だと思う。

いままで福井や石川はもちろん、鳥取にもわざわざ冬のズワイガニを食べに出かけた。北海道では毛ガニを一度に2杯食べたことも何度かある。ワタリガニのウマいのがあると聞けば佐賀まで旅をした。

上海蟹も好きだ。タイに行けば名物料理の蟹のカレー炒めは毎日のように食べる。

あまり興味がないのは沢ガニぐらいである。

なんだかんだ言って私が一番好きなのは毛ガニだ。越前だの松葉だの何だのとブランド化するズワイに対して毛ガニは毛ガニである。実に潔い。堂々とした裏表のない感じが好きだ。

世間に媚びていない無頼な感じ、ぶっきらぼうな感じが格好いい。ズワイみたいにモデル体型じゃないし、無骨な雰囲気が男心をくすぐる。



この画像は、私が毎週のように出かける高田馬場「鮨源」で出される毛ガニだ。朝茹での毛ガニを全部ほぐして甲羅に詰めてある。

ホジホジする楽しみがないのが少し淋しいが、ぎゅうぎゅうに詰められた身を食べ続け、後半になったら下の方に潜んでいるミソと身を混ぜ合わせる。いつもウットリする。

今日はセクシー個室の話を書くつもりが、単なる毛ガニ礼賛で終わってしまった。まあいいか。




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