2016年6月20日月曜日

舛添知事のペナルティー


セコさバリバリの舛添知事の辞任が決まったことで焦点は後任選びに移った。

ヤメれば全部がチャラになったかのように都議会では更なる追及はナシ、舛添さんの会見などもナシ。

政治資金規正法の違反事件だが、セコさのせいもあって検察が動く気配もナシ。ナイナイ尽くしである。

それならそれで「税金逃れ」の観点から糾弾の声があがらないのが不思議である。

「公私混同」といえば、世の中小企業のオーナー社長が常に税務署から厳しくチェックされる行為である。

舛添さんの一連のセコい話も「課税」という面で見れば、事細かく追及されるべき話である。

あれで幕引きになるようでは、世の中の社長サン達は税務調査に協力などしなくなるはずだ。

議会も検察も何もしなくても、舛添知事の住所地の税務署は粛々と、かつ念入りに課税対象を洗い直すべきだろう。

社長さんの例を見るまでもなく、個人的な飲食費や旅行代を会社の経費にしていたらダメである。誰でも分かる話。

で、経費にならないとなったらどうなるか。この部分が大事。

基本的には経費に認められなかった金額は社長さん個人の利益、すなわち所得とみなされる。

年収1500万円の社長さんを例にとって説明する。会社の経費にならない個人的支出が200万円見つかったとすると、社長さんの年収は1700万円だったという理屈になる。

当然、増額した分の所得税が追徴される。ペナルティーとしての加算税もかかる。

毎年同じようなことをしていたら所得税は最大で過去7年まで溯って追徴される。

ひとつひとつがセコい話でも積もり積もれば結構な金額であり、追徴税額だってそれなりの金額になる。

経費の否認、所得認定といった「申告もれニュース」のキモはそういうことである。

舛添知事は家族と出かけた正月休みのホテル三日月の費用も家族で食べた回転寿司の費用も、趣味で買った美術品や中国服もすべてが「政治のために必要な支出」とのたまってバッシングを浴びた。

まさに屁理屈。往生際の悪さと稚拙な詭弁だけで歴史に名を残しそうである。

ちなみに中小企業の社長さんが家族と正月休みに温泉旅行に行った費用を会社の経費にしていたとする。

税務署の調査官がそれを見つけて、社長さんに問いただす。すると社長さんは「名前は言えないけど仕事関係者が一人やってきて会議をしたんだ。だから全額、仕事上の経費だよ」と抗弁。そんなズッコケた話である。

議論が噛み合う噛み合わないという次元ではなく、単純にズッコケちゃうレベルだ。

公用車を私的に使いまくっていた件も同じ。世の社長サン達が同じようなことをしたら、厳密にいえば、高速代、ガソリン代、運転手さんの超過勤務代もろもろが会社の経費として認められないことになる。

極端にいえば、社用車購入費用がまるまる社長個人のものと見なされるケースだってあるのが民間の実情である。

税務署と民間企業がモメる場合、さまざまな支出の経費性をめぐって「見解の相違」という言葉が飛び交う。

舛添セコビッチ知事の場合、見解の相違という用語すら使えないレベルのお粗末ぶだ。

中小企業の社長さんの場合、多くが大株主であり、なかには全株式を所有している人もいる。

こうなったら「会社はオレのもの」という感覚が強いのも当然だ。したがって「オレのカネも会社のカネも同じだ。オレが稼いだカネをどう使おうがオレの勝手だ」という理屈も分からないではない。

それでも、税法の世界では個人と会社の財布は別なものとして取り扱う。極端にいえば100%株主で従業員もいない社長一人だけの会社だって公私混同に特別扱いはない。

常識的なルールを破れば追徴課税というペナルティーが待っている。

舛添さんの場合、私的流用していたカネは自分が稼いだものでもなく、自助努力によって手にしたものでもない。彼が使い込んでいたのは、一種の預かり金とも言える税金である。

どっかの誰かと浮気したという話より80万倍ぐらい罪は重い。

金額の多寡に関係なく、国税当局が真剣に向き合うべき事案だろう。こんなものが放置されたら世の中に示しがつかない。

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