2015年9月30日水曜日

イラつく


「富豪記者サンも怒ることあるんですか?」。そんなことを言われることがある。一応、穏やかなフリをして過ごしているから、私が人並み以上に短気なことはバレないことが多い。

誰かの胸ぐらを掴んだり、大声で怒鳴り散らすことは滅多にない。そんなことをしたい時もあるが、あれはあれで異様にカッチョ悪い行動なのでガマンガマンである。

女性や部下など、体力的や地位的に抵抗できない相手に怒りまくったところでみっともないだけだ。こっちのエネルギーが無駄に消費されてバカみたいである。

とはいえ、最近はイライラする場面が増えてきた。これも加齢だろうか。大声を出すわけではないが、しょっちゅう怒っている。

同じことを何度も言わせる、同じことを何度も確認する、人の話を聞いていない、空気が読めない、距離感に鈍感等々。こういう類いのバカに遭遇すると無性にイライラする。

短気は損気。ウン十年前から自分に言い聞かせているがダメである。

先日も、深夜のタクシーで、こっちの指示をいちいち復唱して「・・・でよろしいんですね?」と聞いてくる運転手に遭遇した。

「二つ目の信号を右、でよろしんですね?」と常にこちらに相づちを求める。もちろん、常識の範囲なら私だって気にしないが、その人はちょっと異常なほどしつこかった。

「今そう言ったろう?あなたバカなんですか?」とはさすがに言えない。あまりにしつこいので相づちをうたずに聞こえよがしに溜息をついてみた。

すると、その後はまったく相づちを求めてこない。溜息一発で改めるってことは本人もやましい気持ちがあるわけだろう。それがまた無性に腹が立った。

あの日のイライラで髪の毛は100本ぐらい抜けたかもしれない。たまったもんではない。

別な日、とある料理屋で一人しっぽり熱燗をグビグビしていた時のこと。板前さんとの世間話の流れで隣の席に座るオバサンと少し言葉を交わすようになった。

それはそれで珍しいことではないが、そのオバサンのお酌攻撃が尋常ではなかった。最初は板前さんにお酌しまくっていたオバサン、次なるターゲットは私だ。

自分はろくすっぽ飲んでいないのにお銚子を追加注文しまくる。板さんと私に酌をするためだけに注文している。

私だって一応、紳士である。最初のうちは低姿勢に有り難がって、返杯のお酌に励んだりした。

でも、あまりにしつこいので、「こちらはこちらのペースでやりますから・・・」とやんわりお断りしてみた。

それでもお酌攻撃をやめようとしない。そんな場所であからさまに不機嫌になってもヤボだし、結局、御勘定して店を出るしか方法はない。最悪だ。

「やんわり」が通じない人はつくづく苦手だ。違う星の人かと思う。本人は何も気にせず御機嫌なんだからタチが悪い。

顔で笑って心で怒る。思えばそんな場面がやたらと多い気がする。虫の居所が悪い日は、表面上は普通に装っていても、内面はグチャグチャで、なんでもかんでも腹を立てている。

「よろしかったですか?」「なるほどですね」などの変な日本語を聞かされると、自分のことを棚に上げてカチンと来るし、FacebookなどのSNSで感情的で中途半端な政治論なんかを読まされるとイラつく。

のろのろ運転しているクルマに腹が立つし、イヤホンだかヘッドホンつけて歩いているヤツにも腹が立つ。

凄い短いスカートを自分の意思ではいているくせにパンチラを異様に防御するヤツもイラつく。ついでにいえば私の意のままになってくれない人にも腹が立つ!?

いかんいかん、脱線しそうだ。

ネット上にあふれる泣ける話とか感動する話なんかも、ほぼ間違いなく作り話みたいなやつが多くないだろうか。道徳心や公共心のお節介な押しつけに思えちゃうとイラつく。

ここぞという場面でCMに入るテレビのあざとさもイラつくので見たい番組はすべて録画して見るし、「檀れい」が出てくると相変わらずムカつく。

50歳を迎えるにあたり、「ハーフセンチュリーですね」とか言われてニッコリ顔で「ありがとう」と返事するくせに、腹の中では「半世紀と言えばいいだろバカ!」と叫んでいたりする。

偏屈なんだろうか。もっと大らかにならないとストレスが溜まって髪も抜け落ちて老化に拍車がかかってしまう。反省反省。

ちなみに「うつ状態」が進行していく過程でイライラが爆発することがあるらしい。しょっちゅうイライラしている私も黄色信号なのだろうか。男にも更年期があるらしいからそっちの問題かもしれない。

で、グダグダ書き殴ってしまったが、オチが思いつかない。これまたイラつく。

旅にでも出ようと思う。

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