2014年10月22日水曜日

酒の歓び


なんだかんだと酒浸りの日々だ。惰性で飲んじゃいけないと分かっていても、飲みたくなっちゃうから仕方がない。


これからグッと冷え込む季節だ。当然、酒飲み欲求は強まる。熱燗モードのスイッチも既にオンである。

こんな事を書いているとさぞや酒が強い男みたいだが、飲める量は大したことはない。

最初に生ビールを2杯ぐらい、その後、日本酒だったら2合半程度で満足する。4合ぐらい飲むと前後不覚である。

昔から二合半の酒は「こなから」と呼ばれる。飲み屋さんやおでん屋さんの店名として見かけた人もいるはずだ。小半とも書くらしい。

一升の半分の半分という意味で、適量の酒の意味合いでも使われる。まさに私程度の酒量は適量ということになる。

時々はチャンポンして延々とアホみたいな量の酒を飲み続けることもあるが、そうなると次の日は夕方までヘロヘロである。

日本酒、焼酎、ウイスキー、カクテル等々、場面に応じて何でも飲む。ウマい中華料理が目の前にあれば紹興酒が欲しくなるし、スペイン料理だったらカヴァをグビ飲みする。コンビニで売っている男梅サワーも嫌いではない。

一緒に食べる料理ありきでその日の酒は決まる。昔の大酒飲みは手の甲に塩を盛ってそれを舐め舐め安酒をあおっていたが、私の場合、塩しかツマミが無いなら酒を我慢できちゃう程度である。

さて、冒頭の画像は帝国ホテルの中にある穴場バーでのワンショット。本格的なバーに行く時は基本的に食後である。ツマミはほぼ無し。

こういうシチュエーションだとウィスキーのロックをチビチビ飲むことが多い。カクテルは同行者にお任せして、こちらはボウモアあたりで葉巻をプカ~である。

何年か前に首相時代の麻生さんが「ホテルのバーは安いんだぞ」と発言して批判されたが、確かに街場の洒落たバーでボッタクられることもあるから、あながちマト外れではない。

ホテルのバーの良さは「ちゃんとしてる感じ」に尽きる。酒はTPO次第でヤサグレた雰囲気を醸し出すきっかけになってしまう。「シュっとした感じで嗜む」ケースなら老舗ホテルのバーが最適だ。

先日、遅めの時間に妙齢の女性と某ホテルのバーで飲んでいた時のこと。会計を頼んだら若いボーイが「お部屋付けになさいますか」と聞いてきた。

その日、部屋など取っていなかった私はビックリである。ちょっと焦った。まあ、そう見えたのなら光栄な話?である。いや、そんなにエロ満開な顔をして飲んでいたのだろうか。ちょっと複雑だ。

でも、あのボーイさん、一言でいえばバカである。もし私が内緒で部屋を取っていて、その下心をまだ女性に明かしていなかったとしたら台無しである。損害賠償モノ!である。

幸い?な?ことに、その日はそんな予定がなかったから「事故」には至らなかったが、実にオッソロしい話である。

話は変わる。

バーで気取って酒を飲むよりもそこらへんのヘタれた飲み屋で安酒を飲む機会のほうが残念ながら?多い。


最近のお気に入りは梅たたきサワーである。梅干しをグジャグジャにしながら、おかわりのたびに梅干しを追加する。モツ焼きと合わせると至福である。

4杯目ぐらいになると、追加してグジャり続けた大量の梅干しがジョッキの下3分の1ぐらいを占拠するようになる。こうなると実にウマい。独特の風味が出てくる。

でも、これって梅干しの成分を考えると間違いなく塩分過剰である。梅という健康的なイメージにダマされている?が、要は不健康な飲み物を嬉々として飲んでいるわけだ。


不健康酒といえば、毛ガニの甲羅酒である。鮮度の良い毛ガニを堪能した後、カニミソを適量残しておき、カンカンに熱くした日本酒を注いでもらう。

ミソの甘味が加わってウヘヘのヘ~って叫びたくなるほどウマい。まあ、カニミソ自体が尿酸値だのそっち方面に確実に害があるわけだから、しょっちゅう飲んでいてはいけないシロモノである。

冬になれば燗酒がウマい。身体中がジンワリするあの感覚は、日本人に生まれて良かったと痛感する場面だと思う。

基本的に和食系が基本なので、これからの季節は日本酒にお世話になる機会が増える。

日本酒の場合、普段の食生活に合うだけでなく適度なアルコール度数も影響して、油断するとついつい飲み過ぎる。

カロリーも高いし、翌朝に残りやすいのが困りものなので、日本酒を選ばない時は焼酎である。

これからの季節、芋焼酎のお湯割りは欠かせない。「宝山」シリーズの「綾紫」あたりをお湯割りにすると、ふくよかな香りが楽しめて物凄くウマい。是非お勧めしたい飲み方である。


昭和の男たちが愛した酒といえばウイスキーである。いまでは他のアルコール類の台頭で勢力は弱まってしまったが、これはこれで味わいがある。

オネエサンが相手してくれる店はウイスキーが主流だ。なぜか焼酎だと気分が出ない。酒なんてモノは結局は気分に左右されるから、ああいう場面ではウイスキーが収まりが良い。

本当は竹鶴とかマッカランが好きなのだが、銀座に出ると私は常にオールドパーである。あまり好きな銘柄ではないのだが、在りし日の祖父が愛飲していた銘柄なので、長く通っている店ではほぼ100%オールパーをキープしている。

もともとは祖父を偲んで飲み始めたのだが、最近はこのウィスキーの名前の由来であるイギリスの絶倫スケベ爺さんにあやかる気持ちのほうが強くなってきた。

パーじいさんの逸話を紹介した過去記事は下記ご参照。

http://fugoh-kisya.blogspot.jp/2008/03/blog-post_10.html

http://fugoh-kisya.blogspot.jp/2009/12/blog-post.html

明治の元勲達や田中角栄さんも愛したオールドパーに肩入れすることは、自分が昭和人であるというアイデンティティーの確認と、死ぬまでエロを追及したいという願望の表れである。

酒の話を書いていたのに結局そっちに話題が移ってしまった。

煩悩バンザイである。

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