2014年8月6日水曜日

ディスる しょんどい


40代後半といえば、世が世なら「退役・隠居」扱いの年齢なのに、日々、現役バリバリみたいな顔で過ごしている。超高齢化社会のおかげである。

その昔の大ヒットドラマ「太陽にほえろ」で貫禄タップリだった石原裕次郎は当時まだ40歳になるかならないかだったから、昔の人達の老成ぶりは尋常ではない。

山口百恵が引退したのは21歳の時だ。引退コンサートで見せた成熟した様子は、イマドキのアイドルはもちろん、イマドキの30代の人と比べても驚異的である。

SMAPは香取クン以外は40代だそうだ。結構ビックリだ。「太陽にほえろ」のボスより草ナギ君は年上ということだ。そりゃあスッポンポンで騒ぐのも無理はない。

高齢化が進むに比例して「若者」「中年」「老人」というくくりも昔とは違ってきているのかもしれない。

若作りに興味もなく、アンチエイジングなどクソ食らえだと思っている私としても、そんな時代の流れは有り難い。バカっぽい言動をしても、そこそこ許されちゃう風潮に救われる時もある。

世が世なら茶室にこもって漢詩でもそらんじている年齢なのに、いまだにオネエチャンを追っかけて「壁ドン」とかに励んでいる。

御苦労なことである。

さて、そんな私でも世代間ギャップを感じるのが若者言葉が分からない場面だ。

「ディスる」。やたらとよく聞く。最近になって意味を知った。「ディスリスペクト」(disrespect)が語源だとか。

軽蔑する、馬鹿にする、けなすという意味合いで使われる。逆の意味、すなわちリスペクトをはしょった「リスる」という言い回しもあるらしい。

「~~る」と無理やり動詞にするパターンは古くからポピュラーだ。「サボる」も今やごく普通の言葉のようだが「サボタージュ」を元にした強引動詞である。

重なりを意味する「ダブる」や歌う際の「ハモる」、「ヤジる」とかも、元を正せば「ディスる」と同じように時代時代に生まれた新語だったわけだ。

最近の強引な動詞シリーズで笑っちゃったのが「ヤグる」である。意味は浮気現場を目撃したり、目撃されることだとか。浮気騒動で雲隠れしちゃった女性タレントの名前をもじって生まれた言葉だ。

若者言葉を言葉の乱れだと言ってウジウジ言う人がいるが、どんな時代にも付きものだし、一過性のものが大半だから気にする必要はないと思う。

私に言わせれば平板化したアクセントの方がよほど気持ち悪い。カレシ、カノジョ、クラブなどなど。例の音感が気になる。

「かなり暑い」は「か」と「あ」にアクセントがあるべきで、今風の発音で聞かされるとゾワゾワする。

さてさて、最近、意味が分からなかった言葉が「かまちょ」と「しょんどい」だ。

それぞれ「かまってちょうだい」、「正直しんどい」の意味だとか。なかなかセンスがいいはしょり方だと思う。

個人的に「しょんどい」は気に入ってしまった。無理に乱発して「あのオッサン、きしょい」とか言われそうで危険である。

勘違いしていた言葉が「推しメン」である。「一推しのメンバー」が正解だが、「メン」だから「好きな男性タレント」という意味だと思っていた。なかなか難しい。

そんな私でも、「マツエク、しくっっちゃってさ~」というギャルの会話の意味が解読できたから立派?なものである。

自分の若い頃を思い出してみても、おかしな言葉を多用していた記憶がある。それこそ「ナウい」という言葉が生まれた時代だから、ヘンテコな言い回しは多かった。

男女の関係が進展していく段階をA、B、Cで表現することは一般化していたが、いまの20代の若者にはまったく通じなかったりする。

あんなに誰もが普通に使っていた言い回しなのにアッという間に消えていくわけだ。♪E気持ち~♪って楽しそうに歌っていた今は亡き沖田浩之も浮かばれない。


同じ年齢を意味する「タメ」という言葉も最近、若者相手に通じなかったことがある。ごく普通の用語だと思っていたから少しショックだった。

考えてみれば「チョー面白かった」の「チョー」を誰も使っていなかった時代に若者時代を過ごした。「マジ」とは言ったが「ガチ」という言葉はなかった。

30年以上も前だから当然だが、随分と変われば変わるものだ。

可愛い女の子を「マブい」と言ったり、何かを盗むことを「ギる」、仲間はずれを「ハブ」とか「ハブる」とか言っていた。セブンスターは「ブンタ」だったし、ショートホープは「ショッポ」だった。タクシーのことを「オートン」と呼んだりもした。

そのほか、当時普通に使っていたのに死語になったのが「アベック」である。いまや「カップル」に全面的に制覇されてしまった。

アベック。なんとなく哀愁を感じる。フランス語が語源だし、オシャレな響きだと思うが誰も使わなくなってしまった。「カップル喫茶」より「アベック喫茶」のほうが濃厚なプレイが展開されていそうで良いと思うが残念である。

「ビフテキ」。これも聞かれなくなった。現実に若者相手に通じなかったことがある。言わずと知れたビーフステーキだが、単にステーキと呼ぶより美味しそうなのに、これまた残念である。

「アベックでビフテキ」。

なんとなくハイカラ?に聞こえるのは私だけだろうか。

2 件のコメント:

れぴこ さんのコメント...

初めまして。いつも楽しく拝見してます。たぶん同世代ですが「なんちゃって」も当時のアイドルがよく使ってませんでした?マネしてたのを思い出しました( ̄▽ ̄)

富豪記者 さんのコメント...

れぴこ様


そういえば、みんな使ってましたね。「ナンチャッテ」。。。

すっかり私語になってしまいましたね。懐かしいです!