2014年8月13日水曜日

夏の公園


時々、ナゾの整体師の所に出かける。ボキボキコキコキするようなことは一切やらず、身体の波動を探りながら少しだけ触れる程度で全身の崩れたバランスを整える。なんとも不思議な世界である。

時々、調整してもらうと一気に視界が広くなるし、いつもドンヨリ重い腰もスッキリする。

先日の施術中、私の正体がMだということを指摘された。施術中にアッハン、ウッフン言ったわけではないのに見透かされてしまった。

若かりし頃のSの仮面を脱ぎ捨て、Mとしての人生を歩んでいる私だから、いまさらM性を隠す気はない。

実際に最近お近づきになる女性はヤンキーだったり、ヒョウ柄の服を着ていたり、髪の毛が真っ赤だったり、いつもムチを持参していたり、そんなのばっかりである。

ウソです。

ということで、Mとして生きていると、時に変なことに没頭する。

と、書くとエロティック方面の話題かと勘違いさそうだが、ちっともそういう話ではない。

真夏の炎天下に散歩すること。これが結構好きである。立派なM的指向である。

あらかじめ水風呂をためておき、帰宅した途端にドップリ浸かるのが快感である。その気持ちよさのためだけにわざわざ大汗かいて散歩しているのかもしれない。

クラクラするほど暑い中をヘコヘコ歩いていると、身の回りの厄介事やストレスが汗とともに流れ出ていくような気がする。

たとえば、最愛の娘と会おうとしていたのに、元嫁にプチ妨害されることがある。イラつく。そういう時はガンガン歩きたくなる。

その後、娘からこっそり気遣いメールが来たりすると、今度は嬉しくなって、またガンガン歩きたくなる。

そんなものである。健康のためには適度なイライラは良いことなのかもしれない。

話を変える。

「東京って緑が多くてうらやましい」。大阪の知人から言われて意外な気がした。コンクリートジャングルの象徴が東京だが、その人いわく、大きな公園や緑地が結構アチコチにあるから緑が多いイメージなんだとか。

東京の中心には皇居を中心とした緑があるし、考えてみればその周辺にも公園や緑地は結構多い。

銀座で飲んだ後に日比谷公園でエロ満開なことに励んだ女性の話を聞いたことがある。その話自体が東京は緑が多い証である。

うーん、そっちの話に移行したいが、今日は散歩の話だから泣く泣く真面目な話に戻す。


私の住まいの近くにも散歩にちょうど良い場所がある。小石川後楽園と六義園である。それぞれクルマなら10分程度で行けるので気が向くと出かける。

小石川後楽園は、水戸徳川家の大名庭園で、黄門様の代に完成したらしい。六義園は、忠臣蔵には欠かせない幕府側の策士・柳沢吉保の大名庭園である。

明治維新後、それぞれ紆余曲折はあったようだが綺麗に残されている。後世に生きる私のような平民にとっては気軽に散策できることは有難いことだ。

夏の時期は、蝉しぐれを浴びに出かける。蚊除けスプレー持参でふらっと歩いてみる。数百円の入場料を払えば、静かで美しい別天地でノンビリできる。


どこに行っても混雑している夏休み時期の週末は特にお勧めだ。やかましい子供がいるはずもなく、夕方になれば人もまばらになる。

爺さん婆さんの散歩コースのようなイメージがあるが、若い女性が一人で散策している姿を頻繁に目撃する。なかなかセンスのよい趣味だと思う。

汚いカッコでヘンテコな帽子をかぶって、汗でグチャグチャな私としては、「お嬢さん、素敵なご趣味ですね」などと声をかけるわけにもいかず、すれ違うそんな女性たちの幸せを陰ながら願っている。

話がそれた。

この手の公園散歩のメリットは、意外に涼しいということ。コンクリートが無いというだけで想像以上に過ごしやすい。

ヒートアイランド現象を実感する。土と緑に囲まれていれば暑さの質が違う。夏だから暑いことは暑いが、そよそよと吹く風が心地良い。


木陰のベンチに腰掛け、風に揺れる池の水面を眺めていると、それだけで涼を感じる。夕方になれば私の大好きなヒグラシがカナカナ~と鳴き始め、情緒もたっぷりである。

全方位からこだまするように響いてくる蝉しぐれに打たれていると、普段無意識のうちに力んでいる心がほぐれていく。ほぐれ過ぎてフヌケになりそうだ。油断すると寝そうになる。

私にとっては、「蝉しぐれ健康法」と名付けたいほど効き目タップリのリラクゼーションである。

先日も週末の夕方にぶらっと出かけたのだが、この日はカラスの大合唱が蝉しぐれより優勢で興ざめだった。

カラス問題、結構やっかいなテーマである。ヤツらにもヤツらなりの言い分はあるのだろうが、ケタタマし過ぎるのは事実である。

あいつらが皆、九官鳥やオウムのように訓練して蝉の鳴き声の真似ができるようになればいいのだが・・・。根本的に音色に情緒がないから困ったものである。

というわけで、情緒たっぷりに夏の夕暮れを味わうつもりだったのに、ベンチに腰掛けスマホを取り出し、カラスの食用化問題を必死にネット検索することに終始してしまった。

ビミョーな時間だった。

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