2013年10月4日金曜日

デブの幸せ


実は隠れダイエット中である。なんか自分が重くてしょうがなかったから、気分一新のために少しばかり節制中だ。

先月、尿路結石でヘロヘロになった事件のせいで、チョビっとだけやつれた。それが心地よかったから、ゆるゆると体重を落とし始めている。

元来、過酷なダイエットは苦手だ。突然、ハードな運動に励んで体重を落としても運動をやめれば元に戻る。

だいたい「頑張ってるんだぜ」という感じが性に合わない。適度にウマいものを食べながら気付いたら少しスッキリするという都合の良い路線を狙っている。


で、カニである。何年も前の話だが、2ヶ月ぐらいで10キロ以上ダイエットをしたことがある。カニばかり食べて痩せた。

カニはほとんど水分みたいなモノだから思った以上に低カロリーだ。カニフライとかカニの天ぷらはダメだが、蒸したり茹でたり刺身で味わえば安全?である。

殻から身をホジホジする作業のせいで間が持つし、ちょっと贅沢している感じもダイエットの悲壮感と無縁だ。

馬やウサギじゃあるまいし、サラダという生野菜をムシャムシャ食べてダイエットに励むより精神衛生上もよろしい。

カニミソをチビチビ舐めれば酒のツマミとしても充分活躍してくれる。

今回の体重調整は、その頃のような真剣なものではない。今月末に予定している欧州旅行で炭水化物をガシガシ食べたいことがきっかけだ。

インターナショナル・タンスイカブラーとして暴れるためには今のうちに少しは節制した方がいいと判断したわけだ。

簡単に言えば「散歩と炭水化物抜き」だけである。朝はしっかり食べるが、昼はほとんど何も食べずに、夜は炭水化物や揚げ物を我慢するぐらいの話だ。

夜の酒のために、もともと昼はあまり食べなかったから、自分としてはさほど変わったことをしているつもりはない。夜も軽く済ませるようになって胸焼けも減ってまあまあ快調である。

そんなユルい作戦ではあるが、徐々に効果は出てきている。ベルトの穴がまもなく2個分は変化しそうだ。歩いていても心なしか軽快な気分である。

でも、その代償として鰻重のご飯を3分の2ほど残したり、ピザの具だけセッセと食べてパイ生地は全部残したり、お寿司屋さんに2時間近く陣取って握りを一つも食べなかったり、神をも恐れぬ不逞の輩のような行動が続いている。

ちなみに、ダイエットに関係なく、ピザを酒の肴にする場合、パイ生地以外の具だけを食べた方が美味しいと思う。

実に罰当たりだが、チーズと具をフォークで剥がして食べた方がシャンパンなんかのツマミとしてはバッチリだ。行儀悪さの極みみたいな話だが、時々そんな非道な行為を実践してしまう。

一応、4~5キロは減ったのだが、分母が分母だけに誰にも気付いてもらえない。まあ、そのほうが「さりげなく調整する」という思惑に合致するから、コッソリと続ける意欲につながる。

アルコールもなるべく蒸留系にしている。日本酒を飲みたい季節なのだが、焼酎のロックで我慢している。でも、ついつい飲み過ぎるから、適量の日本酒を飲んだところでちっとも変わらないと思う。あくまで心掛けみたいなものだ。あまり意味は無い。

中年になって何が困るかというと、基礎代謝がまるで機能していないかのような現実だ。

昔は2,3日食事量を減らすだけで効果を感じたが、最近は相当メリハリをつけないと体重計の数字はびくともしない。

きっと呼吸するだけで太っているのだろう。若い頃に戻りたくはないが、取り戻したいのは毛髪と基礎代謝である。

思えば、ダイエットなどという自然の摂理に思いっきり逆行した行為に励めることは贅沢な話である。

地球上から飢えは消えないのに、こっちではわざわざ食べ物を選り好みして残したりする。ダイエットすること自体が罰当たりみたいな話ではある。

まあ、そんな殊勝なことを言っても始まらない。

ダイエットが必要になるほど飽食の暮らしが出来る国に生まれ、メタボな人達ばかりに囲まれた時代に生きていることは物凄く幸運なことだと思う。

過去1千年ぐらいの全地球上の人類すべての暮らしぶりを思えば、「デブを気にして、食べる量を減らす」という私の状況はどれだけ幸せなことだろう。

宝くじで一等が当たるよりラッキーなことかもしれない。

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