2013年5月15日水曜日

牛、ホタルイカ、マヨネーズ


気持ちばかり盛り上がるのに、いざとなると大して食べられなくなってしまったのが牛肉である。


この画像のようなジャンクな肉なら出がらしみたいだからバクバク食べられるのだが、いっぱしの高級肉だともうダメ。

くどくて一切れ、二切れで満足してしまう。ちなみに画像は「焼きそば牛丼特盛り」by
すき家である。えらく感激しながらモノの5分で完食した。

ジャンクな牛肉はきっと煮たり焼いたりしているうちに成分がみんな逃げ出しているから大量に食えるのだと思う。根拠はないがそう思う。

対して、そこそこの値段を取る肉料理屋の牛肉はなかなか箸が進まない。貧乏なわけではない。胸焼けしそうで遠慮してしまう。

どう逆立ちしても加齢が原因だ。若い頃のように15回も潜水したり、若い頃以上に女性相手に頑張れる?私だから、加齢なんぞにゃ負けていないと自負していたのだが、牛肉に関しては確実に弱くなってしまった。


池袋のお隣・大塚に妙にウマい焼き肉屋がある。東京苑という店で、週末などは予約必至である。さまざまな部位が用意されていて、レバ刺し、いや「レバ軽く炙り」も絶品だ。

ロース肉にしても、全ロースから1%しか取れない、その名も「1%ロース」とか「10秒ロース」、「3秒ロース」なるメニューもある。後者の二つは、文字通り焼く時間が10秒でOK3秒でOKという意味だ。

すこぶるウマい肉だ。でもたくさん食べられないことが悲しい。ついつい「塩ハツ」とかタン塩系の軽い方に行ってしまう。


この画像はテール蒸しだ。冷めないように鉄板の上に置かれる。ぐつぐつ煮込まれて、ホロホロと肉が骨から外れる。酒のツマミに最適だ。この肉は、それこそ私好み?のジャンクさで、ハイボール片手に延々と食べ続けてしまう。


山芋キムチ、梅干しキムチなんかもあって、牛肉に負けているオッサンも喜ばせてくれる。いままでこの店にはスーパー空腹状態で行ったことがないため、近いうちに飢餓状態で肉を食い散らかそうと考えている。

ということで、肉に惹かれなくなってしまった私は相も変わらずお寿司屋さんに足を運ぶ。空腹でなくても、たとえ重度の二日酔いだろうと、カウンターに陣取ってチマチマ食べたり飲んだりしている。


さっぱりした白身や貝類をそのまま食べていればいいのに、今も脳は若いつもりだから、ついついサッパリの対極も求めてしまう。

この画像はホタルイカの「ニンニクバター炒め」だ。ウヒョヒョ~って言いたいほどガッツリとウマ味が口中に広がる。高田馬場の鮨源で作ってもらった。

バターだのニンニクでウホウホ喜ぶんだから、フレンチでもイタリアンでもがつがつ食べられそうなものだが、そこは微妙に違う。

こういう「アレンジ系クドクド酒肴」を堪能した後にさっぱりした一品でリセットできるからお寿司屋さんは偉大である。鰹の刺身を食べたり、ボタンエビの脳天をジュルジュルすってみたり、「非油系」が中心にあればこそコッテリしたツマミも生きるわけだ。

で、結局、ナマのトリガイとか、コハダとか王道系の握りを食べる。実に幸せである。

そのあたりで「ごちそうさん、お勘定!」とイキな男のように去って行けばいいのだが、そうならないところが私の特徴だ。

運良くこの日は「ツナ様」を用意してもらっていた。それもいつもの標準仕様ではなく、「キュウリ抜きバージョンである」。


牛肉が食えないだの、胸焼けがどうだの、さも繊細でデリケートで、例えて言うなら結核でやせ細って病床で俳句を詠んでいるような男のフリをしている私だが、結局は、スーパーツナ軍艦というマヨネーズ料理に舌鼓をうっているわけだ。

そんな日々である。いとをかしである。

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