2013年4月17日水曜日

浮気


緊急時の通信手段の一つにしようと使い始めたFacebookだが、いまでは日常のオバカ話を載せたり、友人達の近況をチェックしたり、完全にお遊びツールになっている。

聞くところによるとFacebookのせいで浮気がバレたとか、仕事をさぼっていたのがバレたとか物騒な話も多いらしい。

友人が自分の書き込みを誰でも閲覧できる状態にしてあったことをひどく嘆いていた。

離婚経験者である彼には、何年も会っていない娘さんがいる。別れた元嫁と暮らす娘さんが、離れて暮らすオヤジのエロバカぶりを間違いなくチェックしていたであろうことに気付いて意気消沈していたわけだ。

私も2年前にFacebookに本格参入?した当時、閲覧制限機能を知らずに「フルオープン」状態でぬけぬけとヤバい話を載せたりしていた。

思い出すだけでもゾッとする。

イマドキの社会はデジタル化のせいもあって、何かと危なっかしい。まあ、危ないというニュアンスは男世界の感覚である。いろんなことがバレてしまうという意味である。

携帯やメールの履歴から浮気がバレた云々の話は珍しくない。面倒な時代である。それ以外にもカーナビの履歴だって侮れない。

「名古屋出張」のはずが「湯河原の温泉旅館」が目的地に設定されていれば言い逃れは至難のワザである。

ポケットにクシャクシャにして突っ込んでおいた洒落たレストランのレシートとか、クレジットカードの控えなんかも鬼門である。無造作に扱っていると、「何月何日何時何分に何人で」まで分かっちゃうことがある。

その手の「お客様控え」をキチンと処分しても、毎月1回郵送されてくる「カードご利用明細」なる記録を覗き見されたらイチコロというケースもある。

どんな時でも注意力と神経を最大限使っていればクリアできるはずだが、人間、なかなか徹底できないのがツラいところだ。

1泊でゴルフ」に行ったはずなのに帰宅後の洗濯物があまりに綺麗だったので、隠密旅がバレた知り合いがいる。こういうのはセンスの問題だと思う。脇が甘すぎる。

疲れた顔して帰宅して、さも大変だったかのような顔をしながら、スーツを脱ぎ、シャツを脱いだら、肌着を逆さまに着ていたことで浮気がバレたヤツもいる。ツメが甘すぎる。

どうせ頑張るのなら、もっと真剣に取り組まないとイカンと思う。

私だって草野球に行ったふりして、違うトコで違うコトをした時には、帰宅前に公園でユニフォームを泥水と混ぜて汚しておいた。夜の公園でのあの姿は不審者以外の何者でもないが、それがルールである。

いろいろな匂いを何とかするため、一人深夜の炉端焼き屋に立ち寄って、わざわざ煙にいぶされながら、首筋にモツ煮込みを少しだけ塗ったこともある。それがマナーである。

色っぽい夜を迎えそうな時には、あえて一番古い下着を履いていく。それが正しい男の姿?だと思う。

バレてしまう最大の原因はただひとつ。普段と変わったことをするからである。

かの吉田茂は言ったそうだ。

「ウソも真剣につけば真実に変わる」。

なかなか含蓄のある言葉だ。

とか何とか言って、必死の思いで男道を歩んでいる世のオッサン達だが、涙ぐましい努力の陰で、自分のほうがコロッと騙されている場面も多いみたいだから残酷だ。

男のアホさの一つは「浮気するのは男で、女は浮気などしない」と漠然と思い込んでいる点である。

さっきも書いたように、相方の様子の変化に敏感なのは女性のほうである。男は相手の髪型や持ち物が変わっても気付かないような注意力散漫な生き物である。

生理学的に女性と男性では目に見えているものが根本的に違うらしい。勝負にならないわけだ。

嫁さんから見れば、ダンナの色気づいた変化など一夜にして見破るのだろう。

逆に見破られないようなら、まるで相手にされていないことを意味する。そういう場合は、さっさと離婚した方が身のためだ。

「女は浮気しない」という変な思い込みに加えて「相手の変化が目に入らない」という鈍感さが男たちの特徴だから、女性側が男をダマくらかそうとするのは至極簡単だろう。

これって実に悲劇的である。大惨事だ。喜劇だ。

いや、もしかして幸せなのかもしれない。相手のことを疑わずに生きていられれば幸せだ。

世の中、知らないで済ませた方がいい話だらけなのかもしれない。

ちなみに、今日はFacebookの話をマクラに、「都々逸」の話をアレコレ書こうと思ったのに、まるで関係のない話をダラダラ書いてしまった。

精神錯乱なのかしらん。

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