2012年6月25日月曜日

バリ島 プールヴィラ

バリ島のリゾートといえば、いわゆるヴィラに人気が集中している。ビルディングタイプのホテルルームとは違う一戸建ての施設だ。

こじんまりとしたものからベッドルームが3つ4つもあるような巨大なヴィラまで様々なパターンがあるが、プライバシーが重視されたスタイルは共通だ。

ヴィラの入口にはしっかり門があり、まさに別荘感覚だ。各ヴィラの敷地内には庭やオープンリビングとかプライベートプールが用意されていることも多い。

プライベートプール付きともなれば目ん玉ひんむきそうな値段になりそうだが、そこはホテル競争が激しいバリ島だ。探せば結構お得なレートで泊まれるところも見つかる。1泊200ドル程度でも見つけることは可能だ。


あまり安いヴィラだと狭いし、汚いし、かえって一般的なホテルルームを選んだ方が正しい。一定水準以上を求めるには少しだけ奮発する必要がある。

それでも東京のカッチョ良い外資系ホテルに泊まるよりもよっぽど安く手配できるところがバリの特徴だ。

ブルガリリゾートとかアマンリゾート、フォーシーズンズ、セントレジスあたりはバリの物価を考えると高すぎる。1泊したら現地人の家が建つ?ぐらいだからさすがに敬遠している。

1泊300~400ドルあたりで上手に探すと充分すんばらしいヴィラが探せる。円高の恩恵だ。インターネットとかホテル予約サイトなんかを駆使して調べる作業を苦にしない人なら、ヴィラ選びもまた旅の楽しみになる。たまの旅だ。そのぐらいは奮発する価値はあるだろう。

今回は東海岸での水中撮影三昧の時はリーズナブルなホテルに泊り、山側のウブドと南側のヌサドゥアでそれぞれプールヴィラに滞在してみた。

ウブドには渓谷や高原の眺めが素晴らしいヴィラリゾートが乱立しているが、今回私が選んだのは、日本のガイドブックでは忘れ去られた存在になっているリゾートだ。

芸術の村ウブドで日本人にもお馴染みなのが「アルマ美術館」。実はここは「アルマリゾート」という宿泊施設も併設しており、数年前に頑張ってプールヴィラを作ったらしいので、ホームページをチェックしてみた。


部屋もプライベートプールも広すぎるぐらい広い割にネット割引価格は妙に安い。定価が650ドルなのに300ドルを切る金額までディスカウントされていた。少なくとも私の自宅よりも敷地面積の広いスペースを占有するのだからこの価格は魅力的だ。

で、実際に行ってみたのだが、なかなか素晴らしかった。コストパフォーマンス的には満点だろう。ガイドブックに載っている情報だけだとこういう穴場は見つからない。我ながら自分のアンテナ感度を誉めてやりたくなった。ちなみに画像はクリックすると大きく表示されます。



プライベートプールはイマドキのヴィラにありがちな行水プールではなく、充分に広い。屋外に田んぼを眺めながら入れるジャグジーもある。プール脇というかプールの端に浮かぶように食事スペースもあって、ここで朝食を食べた際の気持ち良さは天国みたいだった。

ベッドルームも広いし、奥には広大な洗面スペース、半屋外のシャワーの他に室内シャワーがあってお湯の勢いも地方のリゾートにありがちな頼りない感じではなく実に快適。

洗面スペースの奥のほうにはロフトまであって、ホゲホゲと「ライスフィールドビュー」が楽しめた。



ウブドでも老舗の美術館グループが運営しているから、広大なリゾートの敷地内はバリ芸術がてんこ盛り。広いスペースに花々が咲き乱れ、巨大な木々を含む緑が生い茂り、川まで流れている。

アチコチに石細工や精緻な木彫りが置かれており、芸術的感性が高い人なら大喜びだろう。

美術館は宿泊客は入場無料だし、基本的に毎晩リゾート内の屋外劇場でレベルの高いバリ舞踊の公演も行われている。

街中にも歩いていける距離なのにリゾートの中はバリの自然と芸術が濃密に凝縮されている。


スタイリッシュな感じとかモダンな路線を求める人には向かないが、ここにいるだけでバリらしさを充分に満喫できると思う。日本の旅行メディアは何でここを取り上げないのか不思議だ。

全体のサービスは超一流リゾートに比べれば劣るが、お手軽に立派なプールヴィラに泊まれるのなら屁のカッパだと思う。

さて、次の宿泊先に話を移す。ヌサドゥアで泊まったプールヴィラは老舗大型ホテル「メリアバリ」で体験。


ヌサドゥア地区そのものが政府肝入りで人工的に作られた喧噪から隔絶されたリゾートエリア。バリ通を自称する人の中には、そのバリっぽくない優雅な感じを嫌う人もいるが、それはマト外れだと思う。ここはここで魅力がある。

メリアバリはスペイン系のリゾート。ヌサドゥアが開発された当初からあったから結構な老舗だ。適度にリノベーションされており、老舗ならではの庭園の緑の豊かさは新興のスタイリッシュリゾートとは一線を画す。

たいていの旅行ガイドブックは、どうしても新しいリゾートの紹介にページを費やすから、この手のこなれたリゾートはつい埋没しやすい。

新しいリゾートよりも緑も豊かで敷地に余裕があって、こなれたベテランスタッフがいる老舗リゾートのほうが落ち着いて過ごせると思う。


メリアバリは300以上の客室を持つ大型ホテルだが、数年前にホテルルームとは別にプールヴィラをいくつか新設。比較的手頃な価格でネット予約が可能。ちなみに今回は300ドル台前半で押さえることが出来た。

バリの中でも新興オシャレエリアとして人気のスミニャック、クロボカン地区に増殖するモダンなヴィラリゾートよりも安いぐらいだ。

イマドキのヴィラホテルの中には、無理して急ごしらえしちゃったようなところも多い。そうなると周りを高い壁に囲まれ、閉そく感たっぷりという残念な事態になる。

自分のヴィラを一歩出ても、全体の敷地に余裕がないから、庭を散歩したり、リゾート全体の解放感を味わったりすることが出来ない。それじゃあダメだ。

やはりリゾート滞在の醍醐味は、泊まる部屋だけでなく、敷地全体の余裕とか施設全体の雰囲気を味わうことにもある。南国リゾーター歴が四半世紀を超える私が言うのだから間違いない!?。

その点、最近のヴィラリゾートの中には、「プライベートプールがありまっせ」という部分だけに気を取られて、全体の雰囲気作りに配慮が及ばないところが多いように思う。

バリ島のホテル選びでは、パックツアーで使われるような大型リゾートを嫌う人は多い。その気持ちも分かるが、大型リゾートの雄大さや楽しげな雰囲気を味わいながら、実は隠れ家的なヴィラに泊まれるというパターンは一種の究極かもしれない。ちょっと大げさだが。

メリアバリのヴィラは、ガーデンヴィラという呼称で、ヴィラ宿泊客以外は立ち入り禁止エリアに設けられている。

楽しくも騒々しいリゾートなのだが、ヴィラエリアは上品な静けさに溢れていてシッポリ系の滞在にもってこいだ。こちらのエリアに泊まっている人専用の共用プールもあって、そこではイブニングティーサービスもある。

また、ヴィラを含む一部の客室滞在者だけが利用できるラウンジでは、一日中飲み物やちょっとしたカナッペなんかが取り放題。朝食のビュッフェレストランもクラス分けされていて、徹底した差別化が図られている。ヴィラに泊まれば、いちいちチッポケな優越感が味わえて楽しい。

大型の至れり尽くせりリゾートが作ったヴィラだから室内も必要なものがすべて揃っている。枕などは、日々10種類ぐらいから素材や固さを選ばせてくれる。室内のライティングテーブルには私の名前が印刷されたレターセットまで用意されていた。


プライベートプール自体はさほど大きくないが、何よりも貸切だ。ウロウロ遊んで帰ってきたらすぐにスッポンポンになって飛びこんでもOK。夜にほろ酔い加減でプールでチャポチャポしながらタバコを吸ってもOKだ。極楽。

庭の広さにも余裕があり、ルームサービスを運んでもらうダイニングスペースも充分な大きさが確保されている。

プール横のバレブンゴン(東屋)もうたた寝するには最高のスペース。玄関近くの池に鯉が泳ぎ、リスも頻繁にやってくる。


老舗リゾートならではの育ちまくった木々の緑が何とも言えない癒しの空間を演出している。

ヴィラでしっぽりくつろげる一方、ヴィラの門を一歩出れば大型リゾートならではの手入れされた庭があって、レストランもいくつもある。ビーチも目と鼻の先。オトナのバリ滞在スタイルとして強力にオススメしたい内容だった。




ちなみに私自身、旅先の宿選びはネット上で体験者のナマの声を参考にすることが多い。今日の内容を読んだ誰かがいつの日かこの情報を役立ててくれたら嬉しい。

ウブド・「アルマリゾート」のスイートヴィラ、ヌサドゥア・「メリアバリ」のガーデンヴィラ。この二つは確実に穴場だと思う。

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