2011年8月22日月曜日

熱海の効能

夏休み気分もさすがに終わりだ。この夏はいろいろ熱かったのだが、日焼けを全然しないインドアな夏だった。

そろそろ潜水旅行に行きたいが、遊んでばかりなので、さすがに時間が取れそうにない。困ったものだ。

この8月、近場への小旅行を何度かした。高速の渋滞とか大混雑電車は苦手なので、新幹線こだまに乗ったり、あれこれと快適に過ごすために工夫をしてみた。

熱海にも行った。東京駅からこだまで45分ぐらいだ。ピーク時期でも、グリーン車を選べば車両ごと貸切にしたかと思うほどガラガラ。実に快適。

いまだに喫煙車両が用意されている点も素敵だ。JR東海だかの大株主が日本たばこ産業だという理由が大きいみたいだ。良いことだ。

日本たばこ産業には、日本中の公共交通機関の大株主になってもらいたいものだ。

熱海の話だった。

泊まった宿は「石亭」。昔ながらの情緒のある宿だ。熱海、伊東あたりは、小洒落たお忍び風旅館が増殖中だが、イマドキのその手の宿が、どうにもラブホテルみたいに感じてしまう私としては、老舗の王道みたいな宿を選びたくなる。

敷地中が石をベースにした渋い庭園になっていて、すべての部屋が離れ形式。造りこそ古いが、清潔でゆっくりできる。

別邸を建てるには、こんな感じがいいなあ、などとカネもないのに考えてみる。


部屋についていた露天風呂もゆったりサイズ。急ごしらえしたような「部屋付露天」とは一線を画す。4,5人でも入れそうだ。お湯もしっかり源泉が引かれ、舐めればしょっぱい熱海の湯だ。

竹や松の木を見ながら、蝉時雨の中、半身浴。煙草もプカプカしちゃって極楽モード。夜になれば満月を愛でながら束の間のリラックスモード。

料理旅館的な要素が強い宿なので、食事も高水準。日本酒に合う料理がゆったりと一品づつ運ばれ。悦楽の一時。持参した唐津のぐい呑みでグビグビ。



熱海に行った頃は、ちょうど鬼嫁様、お子様御一行様が高原に避暑に出かけていたので、気兼ねなく自分の「素」に戻って命をジャブジャブ洗濯できた。

翌朝、のんびりと宿を後にしてMOA美術館へ。レンブラントもあったし、モネの睡蓮もあった。ちょうど、九谷焼の名工の陶芸展も開催されていたので、結構じっくりと館内を散策。

宗教団体が作った施設だけになかなかの威容だったが、立地条件が素晴らしく、初島を望む海の絶景に見惚れる。


老舗の宿、そして美術館。われながら行動パターンが立派すぎる?と反省して、次に向かったのは「熱海秘宝館」だ。

ロープウェイで高台に行き、わざわざ下品極まりない展示物を見て回る。最低最悪の品ばかりで少し感動する。エロ一辺倒だ。あそこまで徹底すると一種の芸術だろう。結構混んでいたのにも笑った。

若い女性観光客が「ゲッ、またチン○だよ・・」とかつぶやきながら歩いていたのが印象的だった。どんなところか知らずに来たのだろうか。そんな人間観察もちょっと楽しかった。

日本全国城めぐりを老後の趣味の候補にしている私だが、日本中の「秘宝館」めぐりをライフワークにするのも面白いかも知れない。

秘宝館の建物外から見る海の眺めが素晴らしく、しばし絶景を眺める。どうも海ばかり見ていた小旅行だった。高台から見る夏の海の輝きは何とも言えずロマンチックで、心も少しばかり綺麗になった気がした。

熱海の魅力は、何と言っても東京から鼻歌歌いながらついてしまう立地だろう。ピークシーズンでも苦労せずいけて、いいお湯もあって、ウマいメシもあって、絶景もある。

中古のリゾートマンションがだぶついてる話は、このブログでも以前書いたことがあるが、真剣に物件探しがしたくなってしまった。

またすぐにでも行きたい。

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