2011年3月25日金曜日

稲川淳二

「非情」なのか「実情」なのか。企業経営者である以上、自らの事業を棚に上げて震災に気を取られている人は皆無だろう。

特需という表現自体が不謹慎という指摘もあるだろうが、現実に経営者が考えていることは、震災関連需要をどう取り込むかという一点だ。

現に東北方面には、廃品、ガレキ撤去、葬祭関連、不動産関連の事業者が続々と集まっているそうだ。それが実情だ。

便乗悪徳商法でない限り、経済社会の中で出てくるこうした動きは責められるものではない。

テレビにしても、視聴率競争の勝者を目指すから、誰のためかサッパリ分からない報道を繰り返す。迫力の映像、単なるお涙頂戴に走る情緒的報道を理念もないまま垂れ流す。

インタビュアーもバカばかり。ちょっと考えれば「どんなお気持ちですか」という質問を投げかけることはないはずだ。家や家族を失った人にそれを聞いてどうするんだ。どんな答えを聞きたいのか。

情報過疎状態になっている人にとって何が必要な情報なのか。誰に向けたニュースなのか、まったく曖昧なままだ。

話がそれた。今日、書こうと思ったのは商魂みたいなテーマだった。

この夏、電力不足でメロメロになる首都圏。早くも特需を狙う動きが活発化しているそうだ。

私ももちろん、冷房に馴れきった都会人の一人だ。毎年、震えるぐらい寒くなるまでクーラーを付けていた。「クーラーの無い東京の真夏」を思うだけで滅入るし、自然と何が必要かが頭をよぎる。

乾電池式の卓上扇風機、ウチワ、扇子、冷氷効果のあるウェットティッシュみたいなやつや氷嚢、氷枕あたりはすぐに思い浮かぶ。細かいものばかりだがみんな品切れ続出状態になるのだろう。

自販機も電気不足で頼りないから、氷で冷やした縁日の出店スタイルの飲料販売はアチコチに出没するはず。

かき氷、小型のビニールプール。こんなものも大ブレイクだ。かき氷は屋台のほか、リヤカーでの移動業者も出てくるだろう。風鈴を売り歩く屋台も増えそうだ。

なんか毎日が昭和の縁日みたいだ。

ラーメンブームも冷やし中華ブームに取って代わり、氷の上に麺を載っけるようなベタなスペシャル冷やし中華の店が人気になる。きっと。

簡単に膨らむ30センチ四方ぐらいの「オフィス用足元簡易プール」とかを作ったら大売れするかもしれない。仕事中、デスクで足だけ水につけておけば、相当涼しいだろう。タバコを吸いにムダに席を外すことも減って仕事の効率もアップだ。マジメに商品化を考えようか。

保冷車にテーブルと椅子をセットした「移動式クーラー会議室レンタル」なんて珍商売も出てくるかもしれない。クーラーはクルマが頼りとなれば、またまたガソリン買い占めが社会問題になる可能性もある。

蒸れる下着よりもフンドシが復権するかもしれないし、薄着の女性を狙った痴漢が増えるから、痴漢撃退グッズも品薄になるかもしれない。

涼しくなりたいから怪談話も大ハヤリで、稲川淳二が引っ張りだこになって、織田無道あたりも再起を果たすのだろうか。

男女のまぐわいも暑さでゲンナリだから、若い男がますます草食化し、われわれオッサンにとっては、喜ばしい現象につながる。

今日は威勢良く書き出してみたが、結局、自分の発想の貧困さと、商才や商魂の無さを痛感する内容になってしまった。

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