2011年1月21日金曜日

フグ・オールスターズ

冬だからフグだ。こればかりは季節感を味わいたい。

地域によっては、わざわざフグを「ふく」と称する。「福」に転じるという意味だが、「ふく刺し」だの「ふくちり」と言われてもピンとこない。

「ふく」と言い換えることは、裏返せば「フグ」だと「不具」に通じるのも一因。その昔、障害者を不具者と表現していたように、差別用語である「不具」では格好がつかないという理由だ。

少しばかりシャラクサイ。一応、障害児の父親である私だ。“不具”ぐらい悠然と丸呑みしてやる。

ということで、フグをたんまり食べてきた。
場所は神田にある老舗「その田」。中学、高校時代の同級生の店だ。中学時代は一緒に野球部で白球を追った男だ

集まったメンバーは、やはり中学高校時代からの旧友。それぞれが当時はさほど親しく交わっていなかったが、「ブロガーつながり」で定期的に会合を持つようになった。

週に一度、一人きりでボーリングに励む男、体温が33度しかない男、この歳になって今年初めて結婚する男、そして私。合計4人の宴だ。

こういう集まりだと仕事の話が一切出ないのがいい。ただひたすら、ヨタ話をしながらフグと向き合う。





フグ刺し様、白子様、焼きフグ様、唐揚げ様。どれもこれも美味。

フグ刺しは一人あたりご満悦な分量。飽きるぐらい食べられた。薬味やポン酢の質が高いのが老舗の矜持だろう。

醤油ベースのだしを塗り塗り焼かれた感じの焼きフグ様はプリプリジューシーで、旬のフグならではの歯応え。ムフフ状態。

唐揚げもそうだが、骨の周りの身をチューチューじゅるじゅるすすっていると刺身とは全然異なるウマ味が滲み出てくる。ニッポンのスペシャルスペアリブとでも言おうか。

一度、焼きフグと唐揚げだけで3人前ぐらい平らげてみたいと思う。今度マジメに相談してみよう。

そして何より白子様だ。タラの白子もウマいが、やはりフグの白子は独特の味わい。上質な絹を思わせる舌触り。絹を食ったことはないが、そんな感じだ。


フグ・オールスターズの競演に合わせるのは言うまでもなくヒレ酒だ。大ぶりのヒレからしみ出るウマ味、うっすら琥珀色に染まる熱々の燗酒。味覚機能を総動員してすするように味わう。

ヒレを替えつつ6杯ぐらいは軽く呑んだつもりだが、仲居さんには「たいして飲んでませんよ」と言われたので安心する。その割にはしこたま酔った。

その後は鍋。締めの雑炊をおかわりしてエビス顔で宴終了。少し移動してカラオケ大会。

この日集まった面々は、カラオケとなると妙に幅広いレパートリーを持つ。

「Gメン75」のエンディングテーマとか、タイガーマスクのエンディングテーマとか、マイケルジャクソンもフツーに熱唱する。単純に楽しい。

私も演歌をうなり、ハマショーを叫び、友人達の熱唱に合わせて騒ぐ。かなりの熱量消費だったはずだ。

平日なのに深夜1時半頃まで叫び続けた。果たして身体にいいのだろうか。きっと悪いはずだ。なぜか筋肉痛だ。


この画像は、今年結婚する(予定)男が選曲したアイドル歌謡だ。エレキ太郎でもある彼はこんな歌詞だろうとヘビメタ調でシャウトしていた。過分なストレスでも抱えているのだろう。

次に集まる時はどんな歌が聴けるのだろうか。興味深い。

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