2010年8月30日月曜日

ウナギ

今日は日本酒とツマミの話。このブログ、更新は月水金の朝だが、時間がある時に書きためておくようにしている。実はこれを書いている今はまさに夕方。私のアルコールエンジンがうなり出す時間帯だ。

「日本酒は燗に限る」という意見に傾きつつある最近の私だが、やはり夏場は冷酒に惹かれる。クッククックと呑み込んでしまい早く酔うのが問題だが、さすがにウマい。

さて、冷酒に合うツマミを考えてみよう。無難なところでは塩辛とか酒盗とかの塩分ブリブリ系が思い浮かぶ。スジコやカラスミあたりの密集魚卵系も塩つながりだ。

まあ昔の人は手の甲に塗った塩を舐め舐め呑んだそうだから、やはり塩は偉大だ。

私が昔から冷酒の相棒として一番と思っているのが「ウナギの白焼き」だ。おろしたてのワサビと醤油を用意して、冷えた吟醸酒をカッと飲み干せばたちまち命が洗濯される。

ワサビ醤油が基本だが、ウマい一品に出会うと、そのまま何もつけずに堪能する。白焼き、すなわち塩焼きだ。やはり、日本酒の相棒として最高なのは「塩」という結論に近づく。

この夏はウナギ専門店に行く機会が少なかったのだが、最近になって立て続けにウナギ三昧の時間を過ごした。

まずは、杉並区内の「うな藤」という隠れた名店。昨年もこのブログで書いた記憶がある。私の実家から近い穴場。

ウナギ以外には、板わさや水茄子、枝豆程度しかツマミがない。日本酒の品揃えが豊富なのに、その程度のツマミで30分以上も白焼きの登場を待つのは辛い。

仕方なく、近くのスーパーでウニの瓶詰めとスジコを調達。実家で小鉢に忍ばせてそっと店に持参。黒龍の大吟醸を煽りながら、気長にウナギを待つ。


白焼き登場。フワッと蒸された関東風のウナギだ。うまく表現できなくてスイマセン。ただただウマい。底抜けに幸せな気分になる。冷酒がクイクイ胃袋に落ちていく。

軽く噛めばホッコリと崩れていくのだが、そのはかなげな感じを上質な脂がコーティングしていく。口の中で舞妓さんがはんなりと舞っているかのようだ(大げさ)。

うな重がやってきた。ご飯ごとバクッとかぶりつきたいが、もっと冷酒をグビグビしたい。お重のフタをこそっと開けてウナギだけを箸でつまんで冷酒続行。エンドレス。
タレがくどくないので、冷酒のツマミとして白焼きに負けないほど絶品だ。

さてさて、翌朝、数十年ぶり?の男性ならでは生理現象に気をよくした私は、数日後、またウナギ三昧に出かけた。

日本橋三越近くに構える「伊勢定本店」だ。
大箱系有名店だ。ラインナップは多くはないが、ウナギ以外のツマミが用意されている点が嬉しい。

ウナギ好きが足繁く通う有名店も随分行ったが、ツマミがまったく無く、悶々と拷問のようにウナギが出てくるのを待つ店が案外多い。

それが正しい「ウナギ道」なのかは知らないが、私にとってはちっとも嬉しくない。“こっちとらあ、酒が入れば際限なく好物を食い続けられる特技を持っているんでい。気の効いたツマミ2~3品持ってきな”と叫びたくなる。



ここでは、う巻き、うざく、鯛ワタを注文。他にも刺身や湯葉や焼鳥もメニューにあった。

ところが、酒肴より先に白焼き登場。鰻重用の蒲焼きは注文後に焼きはじめようだが、白焼きは別らしい。

そうはいっても、さすがに老舗だ。コストパフォーマンスは悪いが、それっぽく仕上がっている。

先日の「うな藤」の白焼きが別格だったので、それと比べると数段落ちるが、池袋あたりの適当なウナギ屋で食べる白焼きに比べれば数段マシだ。



結局、獺祭の純米大吟醸やら磯自慢の大吟醸なんかクイクイやっていた関係もあってペロペロ食べてしまった。

あげくに、さっさと調理されるビミョーな実態を逆手にとって、最後の鰻重が来る前に白焼きだけ“オカワリ”してみた。案の定、さっさと運ばれてきた。

冷酒が止まらない。幸せだ。その気になったら何匹分食べられるのだろうか。きっと5~6匹はチョロいもんだと思う。


鰻重ももちろん、大喜びで食べる。「まあまあ及第点」だった白焼きに比べて鰻重は「バッチグー」だった。次回、この店に行く時には蒲焼きもツマミ用に注文しようと決意。

それにしてもウナギの画像って難しい。ちっともウマそうに見えない。でも現物を味わった本人としては、これを見るだけでヨダレがべろべろ出てしまう。

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