2010年1月6日水曜日

函館 梅乃寿司 

年末の某日。函館に行った。毎年2~3回は函館に行くせいで、旅行という感覚が薄れてきた。今回も1年ぶりに訪ねたつもりのお寿司屋さんで4か月前にも訪ねていたことを指摘された。言われるまで忘れていた。ボケ老人みたいだ。



今回の函館はこの時期にしては珍しく一面の雪景色。五稜郭も真っ白、湯の川温泉エリアの浜辺も雪で真っ白だった。元町の教会群の雪景色もそれなりに見ごたえがあった。

函館の良さは何といっても、こじんまりまとまっているという点だろう。日本全国、飛行場がその土地の中心地からやたら離れてしまった昨今、函館空港の便利さは特筆モノだ。

市街地まで空港から15~20分程度で行けるし、私が常宿にしている湯の川温泉エリアには空港から5分もあれば着いてしまう。

思い立ったら午後にふらっと羽田に行っても明るいうちに津軽海峡を眺めながら温泉に浸っていられる。実に便利。

札幌なんかは、ちっとも札幌とはいえない立地の空港に降りてから電車で長距離移動。おまけに空港もバカでかいからゲートによっては空港内の移動も大変。

函館の場合、空港も小さいし、帰京する際も定刻の30分前に空港に着いたら時間が余っちゃって仕方ないぐらいだ。限られた時間で満喫するには、こういうポイントは無視できない。

さて、今回の函館も魚介攻めが目的。第一の目的は「梅乃寿司」だ。今回は雪景色を堪能しながらウマいものをアレコレ食べた。


画像はイバラガニの内子とタコのタマゴの醤油漬け。珍味好きには涙チョチョ切れだ。タラバの内子よりもクリーミーなイバラガニの内子はあまり出回らない貴重品。ネットリと官能的に口の中で広がる。結婚したいぐらい大好きだ。

タコのタマゴも味付けが繊細で美味。尿酸値だとかコレステロールといった言葉はこういうものを目の前にするとついつい忘れる。

お酒のメニューに「山崎」があったので、この日も懲りずにハイボール。相変わらず昼間からグビグビ呑む。健康の証し。呑める時は元気な証拠だ。健康を実感するためにどんどん呑まないといけない。

毛ガニのミソあえ、子持ちハタハタの塩焼き、イカ刺し、貝類の刺身などをちょろちょろつまみながら幸せな時間を過ごす。

新鮮な魚介類をただ漫然と提供する店が多い函館にあって、この「梅乃寿司」の仕事は別格だ。素材をいじり過ぎることなく、逆に最高の素材を最高以上の水準に仕上げるように手間をかけている。

火を入れることで甘味が増すホッキ貝にしても、状況に応じてあぶり方の火加減を使い分ける。淡泊で当たり前な味になりがちなタラバの脚身には、少し切り身を入れてそこにズワイガニのミソをトッピングする。

この画像のタラコもひと味違う。寿司飯に合う塩加減を店主自ら考えて仕込んでいるそうだ。タラコの概念が吹き飛ぶ感じ。活字ではうまく説明できないのがもどかしい。普通に出回っているタラコとはまるで別物。


続いては鮭類の中で食味が最高級といわれるマスノスケの握りとウニの握り。サケやウニの概念が吹き飛ぶ感じ。ウニも冬の一時期しか獲れない昆布森産の逸品。

私もそこそこお寿司屋さんめぐりをしている。ここ7~8年で北海道だけでも30件以上は覗いてきたと思う。そのなかでもこちらの店は極上だと思う。

ブログという情報発信ツールはあくまで勝手気ままな主観だけだ。だから私は飲食店の悪口を書かないようにしている。こきおろしたい店があっても実名では書かない。

一方で誉める分には迷惑じゃないだろうから一生懸命書いている。でも正直、誉めるほどじゃない店もいくつもある。

その点、「梅乃寿司」は本音で誉めたくなるお店。函館エリアでは安くないが、東京中心部と比べれば決して高くない。お店の人の感じも良く、店内の清潔感なども含めて誰にでも勧められる。

ホメホメついでに言えば、今回乗ったタクシーの運転手さんにも言われた。「あの店は我々タクシーに対しても非常に丁寧ですよ」。

そんな評判の店が悪い店であるはずがない。

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