2009年11月4日水曜日

デジイチ進水式

20年以上前から水中写真を撮影しているが、いよいよデジタル一眼、略してデジイチを水中に持ち込んでみた。

ニコン製フィルム一眼をずーと使ってきたのだが、デジタル化の流れに逆らえず、昨年、コンパクトデジカメ、略してコンデジを防水ハウジングに入れて水中で試してみた。

一眼レフに比べるとレスポンスの悪さはお話にならない。良い面は理解したもののメイン機材にはなりえない。

かといって、フィルムがいらないどころか、フィルム交換が不要な点は重宝だし、ストロボ撮影の際、水没リスクのない光シンクロコードを使える点も水中撮影にはデジカメが有利という結論に達した。

キヤノン製EOS-KISSX3というコンパクトなデジイチをSEA&SEA社の防水ハウジングに入れて試してみた。画像は接写レンズ使用時のスタイル。レンズはシグマ製70ミリマクロを選んでみた。なかなか使い勝手の良いレンズだ。

ワイド撮影用にセットし直すと2番目の画像のようになる。フィッシュアイレンズのくせにズーム機能が付いているトキナーの画期的なレンズを使用。最短撮影距離も数センチなので、ドーム状のポートを被写体に触れるぐらい寄せてもピントが合う。

でもこのドームポートに傷をつけると厄介なので、繊細に機材を扱わない私としては、近いうちに痛い目にあいそうだ。

ストロボを2灯装着すると、結局以前使っていたフィルム一眼レフをハウジングに入れていた時と同じぐらいの重さ。カメラ自体が小さくなっているのにSEA&SEA社のハウジングは廉価版ということもあって作りが大雑把。正直大いに不満。

さて、沖縄本島・万座の海にテスト撮影に行ってきた。コンディションは曇り。まだまだ暖かい。厚手のウェットスーツなら寒がりオヤジでも問題なし。




マクロレンズの描写力がなかなかシャープ。悪くない。クマノミの肌の質感や目玉周りの描写なんか結構優秀。全長2センチほどのガラスハゼもオートフォーカスで余裕で撮れた(画像をクリックすると大きく表示されます)。

シャッタースピードや露出は考えて調整するにしても、視力の弱ってきた中年男にはオートフォーカスが有難い。おまけに水中マスク越し、更に言えばカメラを覆うハウジングのファインダー越しに被写体を捉えるわけだから、小さいものを撮るのはなかなか大変。いまどきの高性能オートファーカスに頼るのはアリだと思う。

ガラスハゼの撮影は、実は着底できない場所で掴まるものもないまま中世浮力をキープした浮遊状態で撮影。普通はブレブレになるところだが、イマドキのデジイチの手ぶれ補正機能は結構凄い。



フィッシュアイレンズを使った撮影は今回はわずかに潜水1回分だったのだが、何よりも超接近してもピントが合うので使い勝手は良い。

復活しつつある赤ちゃんテーブルサンゴは直径30センチ弱。このサンゴにポートがぶつかるぐらい寄ってみた。なかなか表現力豊かだ。

トンネルに差す光の美しさとその付近の魚ぐらいしか被写体がいなかったので、この程度の写真しかない。今後このレンズの奥深さは被写体の多いポイントに行けば堪能できそうだ。

マクロ撮影より難しい超ワイド撮影こそデジカメの出番だろう。ストロボの角度や距離、微妙な構図バランス等々の問題も撮影済み画像を水中にいながらにしてチェックできるから非常に便利だ。

いやはやそれにしても、使い始めたばかりでデジイチの能力は魅力的だ。なんてったって旅行から帰って写真屋にフィルムを持って行かずに済む。一方で現地で撮影済みデータを見てしまうので、現像から戻ってきた時のワクワク感がないのが寂しい。

とかなんとか言って、さも一生懸命撮影してきたようだが、実際にダイビングしたのは1日だけ。要は「ダイエット小休止、オキナワンフードと泡盛タイム」が旅の真の目的だった。

出発当日、なんと子どもが新型インフルエンザを発症してしまい、逃げるように家を出た私だ。沖縄でシーサーの顔を見るたびに嫁さんの顔が脳裏に浮かんでいた。

潜水以外の沖縄道中は明日アップします。

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