2009年9月25日金曜日

銀座の夜のめぐりあい


夜のクラブ活動はすっかり銀座専門になってしまった。若かりし頃ちょくちょく出かけた六本木はすっかり縁遠くなった。

どっちがどうだというわけではないのだが、行きなれた街のほうがしっくりくる。食事する店も銀座に惹かれる理由のひとつだ。

食事に関して考えると、端的に言って、あの街で店を構えようと考えた時点で一線は越えている気がする。ちゃんと志を持った人が切り盛りしていると考えていいだろう。だから激マズという可能性は低い。

さてさて、先日夜の銀座で嬉しい再会があった。ある日初めて訪れた8丁目のクラブ「F」でのこと。嬉しい再会といっても女性ではない。

懐かしい黒服氏がその店で奮闘していた。実に偶然だ。この手の店が無数にある中でこういう再会は不思議な感じがする。

この黒服氏には「銀座っぽさ」を教えられたことがある。そう書くと大げさだが、私が実際にそう思ったのだから仕方ない。

やはり銀座の某クラブでのこと。5年以上、いやもっと前の話だっただろうか。数年ぶりにふらっと店を訪ねた私に、黒服氏はごくごくさりげなく「お久しぶりです」と私の名前を呼んだ。

それ以前に通いまくったほどの客でもない。客の中では若造だし、ちっとも上客ではなかった。覚えていてもらっただけでも驚きだが、そのさりげない言い回しと態度にちょっとソソられた。

さすがに銀座だ。おそるべし!。そんな印象を持った。

普通は、久しぶりの客がふらっと登場すると店側は覚えていたとしても大げさに反応する。わが家の近所の焼鳥屋のオヤジなんて、たかだか2週間ぶりで店を覗いても「オオウ~!」とか言って歓迎してくれる。

それはそれで有難いが、申し訳ないけど少しうっとおしい。クールにさりげなく“ちゃんと覚えてましたよ”的な対応をされたほうがシビれる。

その晩、初めて入った店なのに女性陣そっちのけで黒服氏と飲んだ。何年も前の「シビれた事件」を面白おかしく解説する。

その当時、席で一緒に飲むことは無かったし、単に「私の顔を覚えてくれている黒服さん」でしかなかった。それでも私にとっては妙に印象的だったので親しい旧友と再開したかのように勝手に盛り上がってしまった。

酔っぱらいの言動はいちいち大げさだったりする。困ったものだ。

ちなみにほんの10日ほど前に7丁目某店勤務のホステスさんとその黒服さんの話をしたばかりだった。

彼女が銀座デビューした頃にアレコレと「銀座の女性」としてのエチケットみたいな話を随分と諭されたらしい。

そういうプロの世界のヨモヤマ話は客の立場から聞いていると結構面白い。フムフムとうなずけることも多い。

そんな経緯もあったので、偶然の再会が妙に嬉しかったわけだ。

でも相変わらずの酩酊モードで女性陣の顔を全然覚えていない。それはそれでマヌケだ。

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