2009年7月14日火曜日

下品な時間

新宿・歌舞伎町で久々に遊んだ。加齢と共にすっかり足が遠のいてしまったが、たまに行くと楽しい。さすがに世界の歌舞伎町だ。街全体が下品!。

旧友となんとなく新宿に行き、都庁側の野村ビル50階で夕食。土佐料理「祢保希」でカツオやクジラで冷酒をグビグビ。男同士で見るには切ないほどの夜景のなかで過ごす。

腹ごなしにぶらぶら歩いて歌舞伎町。慎太郎知事肝いりの浄化作戦で楽しくなくなったかと思いきや、相変わらずの下品なネオンの洪水だ。

その昔、日米野球で来日したバリー・ボンズが試合もそこそこに出かけたソープランドも入口付近が豪勢にリニューアル。勝ち組なんだろう。

ホロ酔いの我々の目的は「変な店に行きたい」。風俗店に行きたいわけではない、かといって当たり前のキャバクラに行く気もない。若い頃は随分と変な店に行ったが、最近はどんな変な店があるのか、ポイントはその一点だ。

歌舞伎町ではかつて何度もボラレたことがある。生粋の東京人としては恥ずかしい過去だ。ちょろっと呑んだだけでウン万円とか、オネエサンに手を引かれて入った店で怖いお兄さんとコンニチワみたいな経験もある。

顔が青くなったり、心臓が止まりそうになるほどエキサイティングな経験をしているのに、バカ男連合の構成員である我々は歌舞伎町をうろついてしまう。

風林会館あたりの路上で立ち止まってキョロキョロしてみる。その行為自体がチャレンジャーだ。怪しげな店の呼び込みがアッという間に寄ってくる。

昔は、呼び込みといえば自分より年上の怪しげなオッサンというイメージだったが、こっちがオッサンになってしまった今、声をかけてくるのはホスト風の小僧ばかり。こんなところにも時代の流れを感じる。やたらとまとわりついてうるさい。

夏の夕暮れの雑木林で蚊に襲われる感じ。バリ島・クタビーチあたりでみやげ物売りのおばちゃんに取り囲まれる感じにも似ている。うっとおしいし、危険だ。このままだとまた怖い目に会う。

近くにある飲み屋さん専門の無料紹介所に逃げ込む。応対に出てきた兄さんに「変な店を紹介してくれ」と頼んでみる。するとまもなく、変な店の従業員が我々を迎えに来た。

たどりついたのは「コスプレパブ」。詳細は割愛。あまり面白くなかった。

懲りずに紹介所に戻る。「もっと変な店はないのか」と怒ってみる。ほどなく、もっと変な店から従業員が迎えに来てくれた。

たどり着いたのは、絢爛豪華な和風の空間。結構広いし楽しそうだ。はたしてどんな感じで変なのだろうか。

案内されてビックリ。ボックスというか座席というか、客が過ごす場所は横になるしかない造り。いい感じに枕があって、足を乗せる場所もフカフカ。小さいちゃぶ台に飲み物がセットされる。

ゴロンとしながら一杯。実にぐうたらだ。やってきた女性も当然隣で横になる。かなり変なシチュエーションだ。そこから先の詳細は割愛。外国人とかは大喜びしそうなコンセプトだ。

その後、別なバカ男連合の構成員達が仕事を終えて合流。ちゃんとした店で飲み直す。相変わらずの昔話で盛り上がってちょっと落ち着く。

変な店探検を延々夜更けまで続けられないところが若くない証拠かも知れない。

たまに行くなら歌舞伎町は楽しい。心が洗われる感じと正反対。心がくすんでしまう猥雑な感じ。さすがだ。

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