2009年7月13日月曜日

年齢 イメージ 天下り

いつの頃からだろうか。「年齢」の概念、とくに「年寄り」のイメージが様変わりしてきた。

本格的な高齢化社会の到来によって「お年寄り」と表現するのが的確な年齢は後ろに後ろにずれている。

60歳や65歳といえばまだまだ現役バリバリだ。60歳代のイメージは明らかにひと昔、ふた昔前とは変わった。麻生首相が68歳、鳩山民主党党首が62歳、小沢前党首は67歳。

政治家以外に目を転じるとタモリやビートたけしもとっくに60代、田村正和も65歳、西田敏行も今年62歳になるらしい。松崎しげるですら今年60歳だ。

織田信長の頃なら「人間50年」だったわけだから凄い変わり様だ。60歳あたりは時代が時代なら好々爺といわれかねない年齢だ。昔のサラリーマンの定年が55歳だったことを思うと隔世の感がある。

労働法規の関係で60歳定年制が定着したのも束の間、最近は企業の定年年齢は65歳に引上げられている。その一方で国家公務員の定年は基本的に60歳のまま。今日はこのテーマを取り上げたい。

公務員の60歳定年制は早急に見直されるべきテーマだろう。どっかの諮問委員会か何かが延長に向けて議論しているようだが、さっさと実行すればいい。

キャリア官僚を例にとると、特殊な人事慣行もあって50歳代で勇退を迫られるケースも珍しくない。

キャリア官僚は、50歳前後から再就職先をあっせんされ、まるで間引きされるかのように退職する。同期入省組の出世レースで最後に残った1名を事務次官にするための仕組みだ。

事務次官を頂点にしたピラミッド型の人事形態を維持するための不文律だ。早いケースだと50歳ぐらいで退職させられてしまう。とはいえ、天下のキャリア官僚だ。その後の処遇もシステマチックに用意される。

これが天下りの裾野を際限なく広げてきた背景だ。毎年毎年同じ境遇の退職者が生まれるため、ひとつの組織に長期間在職するわけにも行かない。必然的に天下り先、天下りポストは増殖するわけだ。

50歳やそこらで退職してもらう以上、役所としてもその後10年以上は面倒を見る必要がある。役人自身にとって切実な問題だけに天下り先確保は役所にとって大事な営業課題だ。

腐っても?キャリア官僚だ。高度な専門知識を持つ人もたくさんいるし、元来優秀な人材ではある。にもかかわらず知識経験とは無関係の組織に天下るケースも見受けられる。

公益法人改革は古くて新しいテーマだ。定期的に一定の見直しが決定し、実行される。かといって、議論を終わらせるのではなく恒常的に議論し続ける必要がある。

問題の根源は公益法人の肥大化とそれに関連する行政の非効率性にある。しかし、その根っこに横たわる退職公務員の処遇確保問題が聖域であるかのように旧態依然のままだと結局何も変わらない。

話を複雑化しないで、公務員の定年年齢とかのベタな部分を思いっきり見直すことで随分と風向きは変わるはずだと思う。

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