2009年6月29日月曜日

議員さんのベネフィット

遅くとも夏までには総選挙が行われそうなので、永田町のセンセイ達の動きが活発だ。ばたつく気配の一方で、各種世論調査などでは民主党優位の情勢は動かし難いようだ。

民主党の頑張りよりも自民党の失策が背景にあるわけで、自民党大物の落選は意外なところまで広がりそうだ。

大物議員すら危ないのだから陣笠議員はメロメロ。なかでも小泉チルドレンと称された面々は、その多くが選挙区すら決まらずに大あわて。

シンボル的存在だった杉村太蔵議員は既に出馬を正式に断念。裏側の密約説もアレコレ耳に入ってくる。ただ、密約説が浮上するぐらい彼は“大物”だったのだろうか。なんとも妙な話。

杉村議員といえば、当選した際のはしゃぎっぷりで名をはせた。アレはアレでひとつの功績だったかも知れない。

もともと、一般常識では当選の可能性はカケラもなかった彼だ。郵政選挙の変な突風が「ありえない当選」を生み出しただけ。はしゃぐのも無理はない。

無邪気だった杉村センセイ、毎月100万円が支給される文書通信費の存在に驚き、その存在を世に知らしめた。「年間100万だと思ったら、毎月ヒャクマンですよ!」と騒いでいた姿を覚えている人も多いはずだ。

彼のおかげで文書通信費の制度を知った人は多い。“通信費毎月100万円”といえば確かに大きな金額だ。厳格な使途報告は必要とされず渡し切り状態。

この制度は国会法に規定されたもので、「公の書類を発送し、公の性質を有する通信をなすため」とその目的が明記されている。この文言からして実に曖昧ではある。

曖昧さゆえに永田町の常識では、文書通信費は第二の給与という認識で捉えられている存在。すなわち、多くの国会議員が収入の一部と認識している。

「公のための通信費用」以外に利用したら立派な法令違反だが、犯罪として摘発されることはない。

かつて国会議員の公設秘書給与のピンハネ問題が国会を揺るがす大事件に発展した。逮捕者も出た。失脚者も出た。

税金でまかなわれている秘書給与を議員が収入の一部とみなしていたことが原因だ。本来の支出目的に関係なく、議員ならではのベネフィットを議員の収入と誤認する意味では、文書通信費だって同じだろう。

法律の趣旨と違った使われ方は断罪されるのがスジだと思う。議員待遇にまつわる制度改正は当の議員達が動かなければ何も変わらない。

選挙のことで頭が一杯のセンセイ達だが、自分達の足元がぬるま湯なら改革などおぼつかない。

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