2009年6月5日金曜日

ベルルスコーニになりたい


ずいぶん前にこのブログで「小池百合子になりたい」と書いたことがある。機を見るに敏、権力の下で泳ぎ渡り、その頃ちょうど、防衛省の天皇と呼ばれた事務次官との暗闘が報じられ、結果、次官失脚という結論に至った。

旧弊の象徴である大物次官と闘い、最終的には駆逐したような図式になったことで、小池氏の株が上がっていた頃の話だ。

「誰それになりたい」というテーマを定期的に書くとしたら、今の私は「ベルルスコーニ」を迷わず選ぶ。

「ベルルスコーニになりたい」。言わずとしれたイタリアの首相だ。この人、無敵だ。率直に凄い。イタリアのメディア王であり、ACミランまで持っていた人だ。

好き勝手なことを発言するセンスは、わが国のメディア王?ナベツネさんレベルではない。

一部報道を引用してみる。あまり詳しくなかった人でもきっとファンになると思う。


~~~2006年のイタリア総選挙。ベルルスコーニはまず、1月の党大会で「投票日までセックスをしない」と変な公約をし、3月には「毛沢東時代の中国は赤ん坊を茹でていた」と発言。中国から猛抗議を受け、4月の投票日数日前にいたっては、対立候補の支持者たちに対して「キンタマ野郎がこんなにいるなんて考えられない!」と放送禁止用語を連発。その後、街中で「私はキンタマ」Tシャツやバッジがたくさん売られる事態を招いてしまったのである。~~~


一国のトップだ。滅茶苦茶だ。でも国民的人気が高いらしいから魅力的な人であることは間違いない。

これ以外にもアメリカのオバマ大統領について「若くてハンサムで、そして日焼けしている」と発言したことは記憶に新しい。おまけにこの発言への批判に対する弁解が凄い。

「オバマ氏を、ちょっとうらやましく感じて称賛したつもりだった。誰だってナオミ・キャンベルやオバマ氏のように日焼けしたいと思うだろう?それと同じことだ」。

まさに突き抜けている。G7加盟国トップの発言だとは驚きだ。

また、イタリア系の妻を持つフランスのサルコジ大統領には、「あなたの妻は私があげた」と語り、国際舞台でも言いたい放題。恐るべし。

最近は、20歳年下の夫人から離婚を要求されているようで、現在も18歳になったばかりの女性とのスキャンダルが話題になっている。

ベルルスコーニさん、72歳だ。なんてタフなんだろう。イタリア人はいろんな意味でイタリア人なことは分かっているが、この人はイタリア国民統合の象徴みたいに思える。

首相の座につくのは3度目。かつては疑獄事件で刑事被告人になったにもかかわらず、リベンジをやってのける。おまけに3度目の政権獲得後1年ほど経っても支持率は60%前後をキープというからタダものではない。

豊富な資金力、巧みなメディア情報操作ゆえの高い支持率というネガティブな分析もあるが、それだけで人気を維持できるほど大衆は甘くない。たとえイタリア人でも。。。

私はイタリア人ではないので、よく分からないが、これまで数々の問題発言を繰り返しても、「またアホなことを言った」という感じで流してもらっていることがうらやましい。

流してもらっているのは国内だけではない。気のせいか世界的にシャレで済んじゃっている感じすらある。

まさに地球規模で「しょうもないなあ、あのオッサン」で済まされている。

ベルルスコーニさん相手に必死になって抗議したり、熱く反応することは、かえって格好悪いことにすら思える。

その域に達しちゃっている凄さがベルルスコーニさんの圧倒的存在感なんだと思う。

つくづく、ベルルスコーニになりたい。

2 件のコメント:

Kobe さんのコメント...

言葉尻だけをとって揚げ足取りのバッシングが大好きなメディアばかりの我が国じゃ、こういう人物は許容されないですよね。

たとえ大半の人が共感してたり、面白がっていたとしても・・・

麻生さんも、結構そんな素養はありそうですけど(笑

富豪記者 さんのコメント...

メディアもそうですが、結局はその人間のセンスなんでしょうね。。

ウィットとかユーモアというジャンルが苦手な日本人気質からすると「ベルルスコーニ」は生まれないのかな・・。