2009年5月15日金曜日

てんぷら 山の上ホテル

てんぷらが私を呼んでいる。最近そんな感じだ。半月の間に3回も専門店を訪ねた。今日書くのは、てんぷらの大御所・山の上ホテルでの旨かった話。

文句なく満足できるてんぷらを求めてわざわざ出かけた山の上ホテル。
♪白雲なびく駿河台・・♪にたたずむクラシックホテルだ。

外資系カタカナスノビッシュホテルが幅をきかす昨今、かえってこういうレトロな場所はお洒落だと思う。東京人のための隠れ家だ。

昔からここのてんぷらの評判は耳にしていたが、今まで訪ねる機会がなかった。レストランの名前はその名も「山の上」。美味い店揃いと評判のレストラン群のなかでも象徴的な存在だ。

昭和そのものという店の空気に妙にワクワクする。最先端嫌いの私はそれだけでシビれる。カウンターに陣取ってじっくり味わうことにする。

満を持してここまで来た以上、どうして野菜など食べる気になろうか。興味のない食材は一品たりとも食べないようにしようと決意。お好みで注文開始。

まずは活車海老。最初にからっと揚がった頭が登場。初体験の美味しさ。よくあるイガイガした不快感は皆無。軽めの煎餅のような食感で旨味だけが口に広がる。バンザイ。身のほうも甘みたっぷり。

何を食べてもそうだったのだが、素材の旨味がしっかり感じられる点が幸せ。当たり前のようだが、この部分は抜きんでている感じ。


ハモと穴子もそれぞれの風味がしっかり味わえる。あくまでネタが主役なのだが、衣が単なる脇役にとどまっているわけではない。主役の味をありのまま以上に膨らませる効果を発揮していて最高のバランス。

変化を付けようと一応野菜らしきものも頼んでみた。小玉葱と椎茸だ。どちらも素材の良さが光っている。味が濃い。どうしたって笑顔になる味だ。

たっぷりと用意された天つゆと大根おろし、そして塩があるだけで、カレー粉とか抹茶塩とかイマドキっぽい調味料が見あたらないところも素敵だ。基本が大事なんだと思う。

とはいえ、変わりネタも頼んだ。ウニのてんぷらだ。大葉に巻かれたウニがたっぷり。他の店でも見かけるウニてんぷらだが、この店では、やはり素材が違うのだろう。雑味を感じない。

そのほか、メゴチに銀宝(ギンポ)、かき揚げなどを堪能した。端的に表現するなら、いくらでもいつまででも食べていられそうな味わい。揚げ物料理でそんな感覚になったことってないかもしれない。


シメのご飯は、天茶づけ。出汁の旨味と添えられた塩昆布が極上かき揚げと混ざり合ってスーパー滋味。

同行者が頼んだのは天ばら。かき揚げとご飯をバラ寿司のように混ぜあわせた一品。塩加減が絶妙でこれまた文句なし。

今年食べたものの中で最高に美味しかった。ちなみにお値段も最高だった・・・。
とても満足だったので、納得はしたものの、しばらくの間、カップラーメンで生きていこうと決意するぐらい・・。

誤解なきように付け加えるなら、野菜を毛嫌いせずにコースで注文すれば私のように目ん玉が飛び出るお値段にはならないはずです。

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