2009年5月14日木曜日

裸眼人生

眼医者さんに行った。多分生まれて初めてだったと思う。有難いことに40年以上にわたって裸眼人生を送ってきた。勉学にいそしまなかった成果だと思う。しかし、寄る年波のせいか、どうにも目が衰えてきた。

昨年の運転免許更新の際も当然裸眼で出かけた。視力検査でひっかかるつもりでいたが、親切な係官が3回も検査をやり直してくれたため、怪しいまま裸眼ドライバーとして過ごしている。

遠くがぼやける。目が疲れやすい。充血しやすい。焦点の合う速度が落ちた。。。。ざっとこんな感じ。眼医者さんでいろいろ診てもらった結果、単純な近視であることが判明。少しホッとする。いまさら近眼君だ。

視力自体は両眼ともに0.4だった。近くのものは1.0相当で見えているらしい。どうりでクルマの運転がおっくうだったわけだ。

メガネの処方箋をもらったが、必要なのは運転する時ぐらいで、それ以外の時は裸眼生活続行OKという結論になった。

四六時中メガネをするわけではないのなら、気軽にメガネ生活にトライしようと専門店に出かけた。驚いたことに店員さんは私の処方箋を見るなり、1時間もあれば完成品を渡せるという。

なんかそんな簡単に済まされると、人生の一大事と思っていた私にはちょっとシャクだ。でも、単純かつ重度ではない近眼用のレンズだったら、フレームさえ決まればお手軽に仕上がるらしい。

メガネ専門店を後にして、会社へ戻る道すがら怪しげなオンボロメガネ屋を見つけた。期間限定で掘り出し物とかを乱雑に売っているような空きテナントのつなぎみたいな店だ。

よく、レンタル落ちの映画ビデオとか、CDなんかを山積みにしてうさん臭く処分しているような店を見かけるが、そんな感じのメガネ屋さんだった。

普段なら気にもせず通過するのだろうが、人生初のメガネ注文をした記念日だ。つい、怪しげな店の店頭に山積みされたいわくありげな商品に興味をもった。

「近眼用サングラス、激安!」というコーナーを発見。ふた昔前、杉山清貴がノースショアでかけているようなサングラスがてんこ盛りだ。補正度数ごとに並んでいる。

一番度数のきつくないサングラスを試してみる。バッチリだ。遠くがしっかり見える。安いのなら買わねば!。値札を見てびっくり。「48円」だ。480円ではない。48円だ。

富豪の私は2つも買ってしまった。96円だ。
富豪としては、それだけでは気が済まない。そばに置かれていた“超極細繊維をハイテク技術で織りなした・高級メガネ拭き”も買うことにした。

外装紙に600円と印刷されているにもかかわらず、なんと値段はまたまた「48円」だ。買い占めようと思ったが「お一人様3点限り」の注意書きを発見。しぶしぶ3点購入する。

近眼用サングラスを二つに高級メガネ拭き3つで合計240円だった。メガネ初心者としてこんなことでいいのだろうか。妙な気分だ。

処方箋を持って出かけたメガネ専門店では、当然のように万札が飛んでいったが、48円で充分だったようにも思う。

メガネ初体験の記念すべきこの日、なんとなくキツネにつままれたような釈然としない1日だった。

0 件のコメント: