2009年2月17日火曜日

散歩道

最近、走ることを趣味にしている友人知人の話をよく聞くようになった。何が楽しいのだろう・・。

と言いながら、私自身、歩くことが予定のない休日の趣味になっている。興味のない人には何が楽しいのかと言われそうだから、走る人達もきっと楽しみがあるのだろう。

でも走るより歩くほうがシンドくない。のんびりぶらぶらしたほうが、いろんなものが目に入る。今の季節、梅の木に近づいて可憐な花びらを愛でながら、独特の香りを深呼吸するなんて文化的な芸当は、走っていたら難しい。野良猫に執拗にいやがらせをすることだって走っていたらできない。だから私は散歩が好きだ。

冬以外の季節なら、虫の声も「いとおかし」だ。いまはせいぜい鳥の声ぐらいしか聞こえない路地路地も、季節によっては、蝉やコオロギなんかの音色で意外に賑やか。何気なく歩いていては気付かないものだが、意識して耳を向けていると、さまざまな生き物の声が飛び交っている。

なんか、兼好法師みたいな話になってしまった。

散歩好きには冬は辛い。厚着をして出かけても、少し歩けば脱ぎたくなる。かといって手ぶらで歩きたいから脱がずに我慢する。薄着で出発しても、途中で一服でもしようものなら途端に冷える。とくに手先、指先が冷えるのが不快だ。

酒を呑むにも旅をするにも、どちらかといえば一人で楽しみたい私にとって、散歩こそ究極の一人遊びだと思う。住宅街なら人様の暮らしぶりを覗き見ているような面白さがあるし、商店街ならキョロキョロしがいがある。

私の場合、賑やかな場所より、ひと気の少ない住宅街を歩くのが好きだ。ただ、最近は世の中が物騒なので、用もないのに汚い格好でうろついていると住民から熱い視線を受けることが多い。間違いなく不審者として注目されてしまう。

通り過ぎてもいつまでも注視されたりする。私のようないい人相手にまったく人を見る目がないオバサンとかが多い。突然、Uターンして小走りでオバサンのもとに駆け寄り、ゲップでもしてやろうかと真剣に考えている。

ところで、いま私が苦しんでいるのが毎朝7時の散歩。散歩といっても、娘をバス停に送りに行く日課だ。散歩好きを自負していただけに気軽に引き受けた日課だが、二日酔いや寝不足の朝はさすがにキツい。

バス停まで、子どものぺースで10分程度。たかが10分といっても二日酔い寝不足状態でたたき起こされたら、元気ばっちりの人がハーフマラソンをするぐらいはキツい気がする。

おまけに意味不明の話題を話しかけてくる子どもに機嫌良く相づちを打つ努力も加わるから任務完了して帰宅した時にはヘロヘロだ。

自宅から最寄りの私鉄の駅まで私の足で4分ぐらい。一番近くにあるバス停だって徒歩5分ぐらいの距離にあるのに、運悪く子どもが使うバス停は中途半端に遠い。この点もイラつく原因だ。

いつになったらアイツは勝手にバス停まで行ってくれるのだろうか。一人でだって慣れ親しんだ道を歩いてバス停にたどり着くぐらい簡単なはずだが、つい甘やかしている。

不審者が多い御時勢だから油断はできないと自分でも思うのだが、もう1年近く、この日課を続けながら、一度も不審者なんか見ていない。そろそろヤメにしようか真剣に検討している。

ゲンかつぎとかと同じで、なかなかやめるきっかけが掴めない。3月になって暖かくなったら結構グチらずにお手々つないで楽しく散歩しているのかもしれない。

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