2009年2月10日火曜日

銀座 九谷 珍味

久しぶりに銀座にある「九谷」に出かけた。北海道直送品を中心に新鮮な鮨や珍味を楽しませてくれる店だ。

東京では、なかなかお目にかからないイバラガニの内子は、残念ながらこの日は品切れ。それでも、珍味好きな私にアレコレと不健康そうな酒肴を出してくれる。有難い。

「不健康そうなもの」。これは旨いものの代名詞だろう。コレステロールや尿酸値、血糖値、血圧関係すべてにおいて、身体に悪いと言われているものは旨いものばかりだ。

この日、最初に出てきたのは、旬のヒラメとカワハギのお造り。これだけ書くとヘルシーな感じだが、画像中央部に鎮座している面々が私を夢中にさせる。

カワハギの肝は、いわゆる肝醤油に使われており、並んでいるのはヒラメの卵、キモ、皮。皮以外は、うっすら味付けされており、お燗酒のお供にピッタリ。刺身を食べる合間に同じ魚から作られた珍味を味わうのもオツなもの。

レギュラーメンバーの毛ガニもミソをしっかりトッピングしてくれる。毛ガニはなんといってもミソが醍醐味であり、画像のような色合いのミソならバッチグー。緑色系、茶色系ではなく、このエロティックな黄色のミソなら甘みも強く大満足。

上質なクジラの尾の身も醤油だけでなく、少しだけごま油を落として刻み葱と一緒に味わう。珍味合戦の合間の楽しい変化だ。

いつも酔ってしまうので、少しづつ出された酒肴はいっぱいあるのだが、全部を覚えていないのが私の悪い癖だ。クジラもこの原稿を書いていて思い出した。反省。

この日、拍手喝采だったのが、アワビのキモとウニ和え。キモウニと呼んでみる。アワビのキモをドロリとした状態になるまで大将がつぶす。そこに新鮮なウニを投入、混ぜ込んで極上珍味が完成。そりゃあウマいです。

一応、アワビの刺身も出してくれた。キモウニソースが絡みやすいようにカットしてくれたところが憎い。でも、贅沢な話、アワビが邪魔に思えるぐらい、キモウニが最高。刺身を混ぜずにチビチビ味わう方が酒飲みには嬉しい。

その後、ニシンの切り込みや鮭トバの麹漬け、アカホヤの塩辛、ボタンエビのミソ和えなどをチョロチョロ出してもらった。
言うこと無し。お寿司屋さんで徹底して珍味ばかり食べていていいのだろうかと申し訳なくなる。

お寿司屋さんで珍味以外といえば、当然、寿司飯だ。ちゃんと握りを食べようと思うそばから、また邪道精神が頭をもたげる。

さきほどのアワビのキモとウニを使ったキモウニを少量だけ残しておいて、ほんのひと握り分のシャリをもらう。シャリと混ぜ合わせて酢飯リゾット風に仕上げて食べてみた。

大満足。しょっぱい系の珍味なら、たいていこの酢飯混ぜ混ぜ作戦は至福の瞬間が味わえる。

最後にいくつか握ってもらった記憶があるが、何を頼んだかすっかり覚えていない。思い出すのは珍味だけ。こんなことでは握りの修行をしてきた板前さん達に失礼だと思う。

次回は、珍味は減らさず、酒の量を減らそうと思う。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

魚介類の王様として君臨し鼻の高かったアワビ様もまさか己が邪魔者になろうとは思いもよらなかったでしょう。
例え一貫も握らなくてもネタの目利きに良い仕事を施せるのが職人さんの腕の見せ所ですもの!肝にミソに自家製リゾットにとカーニバル状態!!羨ましいです…❤

富豪記者 さんのコメント...

コメント有難うございます!
アワビは肝を食べるのが一番!
身は火を入れたほうが旨いですよね。
キモ同士であるrinrinさまならご理解いただけると思います!