2009年1月8日木曜日

銀座で九州

年末に山陰に行ったことは先日書いたが、実は当初行こうと思っていたのは大分・別府。濁り湯の温泉と冬が旬の関サバを狙って計画していた。

結局、カニの誘惑のせいで山陰に行ったわけだが、年末のある日、大分の郷土料理を高いレベルで食べさせる店があると聞いて訪ねてみた。

銀座にある「竹の子」というお店。並木通り、三笠会館そばの地下に隠れ家風に構える。

大分・佐賀関漁協の承認店だそうで、いわゆる関モノには定評があるらしい。当然、関サバと関アジの刺身を注文してみた。

想像以上に美味しい。関モノを名乗る刺身は結構アチコチで食べているつもりだったが、こちらの魚は脂のノリはもちろん、味の濃さ、食感ともにすこぶる上等。目からウロコ。カボスを絞って食べてみても実に風味豊か。当たり前のようにこんな刺身が出てくるから、やはり銀座は恐るべし。

あえて残念な点をあげれば、わさびがダメ。練り物を使っていることが非常に惜しい気がした。

この時期は、フグ(この店では「ふく」と読んでいる)が看板メニューらしいが、単品でも頼めるようなので、唐揚げを注文してみた。豊後水道のトラフグだ。まずいはずがない。実際に美味しい。食感がしっかりしており、正しいフグって感じ。揚げ方が少し私好みではなかったが、それなりに満足。

自家製さつま揚げを頼んでみる。これが大当たり。すり身を揚げたお馴染みのものだけでなく、素材そのものに衣を付けて揚げたラインナップが実に味わい深くて気に入った。

椎茸や海老、変わり種では、チーズもさつま揚げの衣をまとって出てくる。素材そのものを衣で揚げるというと、天ぷらとか串揚げのイメージだ。私も半信半疑で食べてみたのだが、しっかりとさつま揚げの味わい。ショウガとちょろっと醤油で味わえば、疑いようもなくさつま揚げだった。熱々で美味しい。

このほかに印象的だったのが「ふく大根」。フグと大根の炊き合わせのようなもの。柔らかく煮られた大根がしっかりしたダシ汁から顔を出している。その上に大ぶりのフグの唐揚げが鎮座している。

さっき食べた唐揚げとかぶっちゃったなあと思ったが、食べてみたら意外にも感じが違う。ほぐした唐揚げフグがダシ汁と混ざり合って味に広がりが出る。

唐揚げ単品で食べた時に少し油がしつこい感じがしたのだが、フグ大根の場合、油が適度にダシ汁と混ざって、淡泊な大根の煮物にアクセントを加える。OK牧場って感じだ。

九州の食べ物には焼酎がバッチリ。焼酎の品揃えが特別多いわけではないが、お店の人がオススメを教えてくれる。居心地も良い。

一品一品の値段は安くはないが、大人がノンビリ過ごすには適度なクラス感は必要。また行きたくなる店がひとつ増えた。

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