2008年12月9日火曜日

銀座 池澤 冬

ひさしぶりに銀座「池澤」を訪ねた。夜っぽい銀座の、それっぽい雰囲気の居心地の良いお寿司屋さんだ。冬の味覚を堪能した。

この時期はやっぱりカラスミだ。自家製のカラスミがバッチグーの状態で私を待っているような気がして、白子やあん肝をさておいて注文した。

ネットリとした食感が堪らない。固くなっているカラスミとは一線を画すエロティックな味。しびれる。炙る必要などない、というか炙っちゃいけないレベルのカラスミだと思う。

変な表現だが、歯の表面にベトッ、ネチョッって感じでくっついて難儀するような感覚がカラスミの醍醐味のような気がする。

ボソボソしたカラスミはパスタとでも和えていればいい。「池澤」のカラスミは、なんとも上質な美味しさだったので、もう一枚画像をアップしておこう。

軽く締めた脂のノリの良いサバをつまみにホロ酔いは進む。毛ガニも食べた。カニ身をあらかじめほぐして、半身の甲羅に詰め込んだ一品。幸せな気分になる。しっかりカニミソも待機。ミソと身を混ぜてこそ毛ガニの味わいは最大限引き出される。ばっちり。

厚岸産のカキが、さっさと注文しやがれって風情で私を睨んでいたので、もらうことにする。焼いてもらった。レア気味に焼かれたカキに醤油で少し味付けして味わう。カキ特有の風味が口の中で炸裂。素直に美味しい。

この日、特筆すべきは、突き出しで出されたイカの塩辛だ。お寿司屋さん相手にイカの塩辛を誉めまくるのもどうかと思うが、あえて誉めまくりたい。市販の甘いだけの塩辛に迷惑している人なら必ずトリコになる味。

甘くないとはいえ、しょっぱすぎず、辛すぎず、いくらでも食べられそうな味。秘密はミソだという。イカのミソって言われてもピンとこないが、ありがちなイカわたをまとった塩辛ではなく、適度な脂分が混ざり合って、珍味と言うより小料理と呼びたくなる雰囲気。

この塩辛、結局おかわりしてしまった。いっぱい盛ってもらい、チビチビ飲んでいた焼酎のお湯割りが、がぜん美味しくなる。

少しだけ塩辛を残して、わがままついでにシャリだけをちょこっともらう。極上塩辛と赤酢のシャリ。いやはや最高。これぞジャポネスク!などと意味不明なことを心の中で叫ぶ。

このほか、生ウニもつまみで出してもらって楽しんでいたら結構満足してしまった。握りは、4~5貫ほどしか食べられなかった。酔っていて良く覚えていない。不覚。でも最後に食べたコハダがとても美味しかったことはしっかり記憶している。

そこそこ貯まっているストレスとの付き合い方が最近の私の課題だが、やはりエロティックな味わいに接すると心なしか気分が落ち着く。

またお邪魔しようと思う。

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