2008年7月15日火曜日

亀の手とギロッポン


「亀の手」を食べた。ごわごわした腕の先にツメらしき部分がしっかり付いている。見た目のおぞましさは相当なものだ。

ツメ部分ではなく腕の部分をむしると、簡単にはがれて、中味が登場する。おそるおそる食べてみる。子どもの頃に飼っていた亀の水槽が臭くなったときの臭いを想像して、鼻呼吸を止めて、臭いをシャットアウトしながら、びびって口に放り込んだ。

食べてみてびっくり。とても美味しい。あとを引くうまさで次から次に、腕をむしり続けてしまった。

ここまで書いてから正体を明かすのもインチキだが、この「亀の手」、フジツボの仲間の貝類で、日本中アチコチで採れるそうだ。見た目はまさに亀の手。そのまんま。

味が濃い。蟹と海老のような風味と貝類独特の甘みと渋み、そして磯の香りが混ざり合ったような味で、酒の肴として最高。ビール、焼酎、日本酒何にでも合いそうな味。あとで聞いたら、スペインあたりでは人気の食材で、白ワインとの相性がバッチリだという。

この日、新橋の「Y」鮨に誘っていただいた年配の知人の好物だそうで、私も一発で気に入り、結局、我々の前に亀の手は大量に盛られた。

仕事上のやたらと難しい話を長時間にわたって続けていたため、ずーっと、亀の手だけが酒の相手。いま思えば不思議な光景だったかもしれない。

その後、話のヤマ場を越えたら、ゆでたての毛ガニが登場。かなり大型の毛ガニだったので、知人と半分ずつ堪能。健康上の理由からカニミソは全部もらえた。素晴らしい!

この日のお相手は、生もの嫌いで、結局、亀の手とカニだけで呑み続けた。握りを注文するタイミングを逃したまま、移動することになった。やはり人様のテリトリーでの過ごし方は難しい。

 

なぜか向かったのは六本木のケントス。オールディーズのライブハウスとしてはもはや老舗の部類だろう。想像以上に賑わっていてびっくり。ハヤリすたりの激しいこの街で、専門性の強みを感じさせる。

でも、はるかに年長のオジサンとともに、「BE MY BABY」とか「カラーに口紅」とかをウットリ聞いているシチュエーションが少し不気味だった。

でも酒の力って偉大で、そんなシチュエーションでも酔っていると楽しい。

せっかくなので、ついでに、クラブ活動にお連れしようと、久しぶりに「G」に顔を出した。

ご一緒だった知人は、それこそ銀座の大ベテランで、六本木的なクラブは居心地があまり良くない様子。私はそれなりに楽しく痛飲。3か月ぐらい前に顔を出したときは、ちょっと寂しげな空気が漂っていて六本木の凋落を感じたが、この日は活気があって、大箱に分類されるこの店も大賑わい。

まさか“ポッポ、ポッポ”の「ギロッポン」の大ヒットが影響しているとは思えないが、客層がみんな「鼠先輩」みたいに見えてしまったのも事実だ。

「G」を適当に切り上げ、知人を見送ったら、ひとり徘徊をたくらんでいたのだが、知人の誘導でもう一軒近くのバーへ。ここで赤ワインなんぞを勧められるままに飲んでしまい、ちょっと記憶が飛んでしまった。

巨人の二岡みたいにベロベロになってしまった。

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