2007年11月22日木曜日

将軍と鴨


いよいよ冬だ。何を食べようか迷うことの多い季節だ。あんこうやふぐ、おでん等々、ついつい鍋系が脳裏をよぎる。

ところが、「お酒あっての食」を標榜する最近の私としては、燗酒やお湯割りを想像した途端、鍋の優先順位が下がってくる。鍋の出来上がりを待っている間に充分に暖まってしまう。熱い鍋には冷酒やオンザロックの方がピンとくる。

鍋ではなくて、冬っぽいものを考えていたら無性に食べたくなったものがある。それは「鴨」。野生の真鴨が食べたい!

今年の春頃、東麻布にある「あか羽」に行った。鷹匠料理とうたうこの店には、これ以上なくこの店の料理にお似合いの人に連れて行ってもらった。徳川宗家十八代の徳川恒孝氏がその人。世が世ならお供を引き連れ、鴨撃ちを楽しまれたであろうお方だ。

徳川氏は日本郵船を副社長で退職後、徳川記念財団理事長として幅広く活躍されている。執筆、講演に多忙な日々を過ごされている。

「あか羽」では真冬の時期に真鴨を食べられるそうだが、訪れたときは季節柄、養殖の鴨をいただいた。鍋の上で煮るのではなく、鉄鍋の上でジュウジュウと焼かれた鴨は甘みが強く美味、肉から出た脂の効果で野菜も美味しく堪能できた。真鴨の季節に是非味わいたいと決意してまだ実行していないのが悔しい。忘れずに近々予約したい。

ちなみに池袋にある「笹周」という店も真鴨が食べられることで知る人ぞ知る店。実際に囲炉裏で焼いた串焼きなどは滋味豊かで満足できるが、池袋的風情が濃厚な立地にあり、出かけるモチベーションの点で問題がある。やっぱり、希少な鴨は将軍のお膝元で食べたい気がする。

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